タイキが連れ去られてしまったが、コユリ達にはどうする事も出来ないままダストゾーンへと辿り着いた。

またしても投げ出され、更に地面はゴミの山。クロスハートはその中に落ちてしまったが、コユリだけはラティスモンに抱えられて無事だった。



「ラティスモン!なんでコユリだけ助けんだよ!」

「ゴミ塗れの主(あるじ)を見たくありませんから」



シャウトモンにそれだけ言って、ラティスモンはコユリを静かに下ろし、またXローダーへと戻って行った。

ゼンジロウが赤のXローダーを持ちながらタイキを捜していると、その真上からタイキが落ちてきた。それに気が付き、アカリは予想落下地点にドルルモンを投げ、タイキを助ける事になんとか成功。



「タイキくん!大丈夫?」

「あ、ああ…何とかな」



渇いた声でタイキは笑う。

彼の話によると、目の前の白い塔にはダークナイトモンがいるらしく、先程タイキを攫ったのもダークナイトモンの様だ。

これからどうするか、そう言った話をしようした時、いきなりメタルマメモンの集団に囲まれてしまった。



「リロード、ヒョウルモン、シキアモン!」

「……コユリ、Xローダーは仕舞っといた方がいいよ」

「え?」

「ッ来るぞ!」



有無を言わせないメタルマメモンの攻撃と数の多さに反撃を試みたクロスハートだったが、赤のXローダーをガーベモン達に取られてしまった。それをタイキとドルルモン、シャウトモンが追い掛ける。



「……っシキアモンが言ってたのはこういう事だったんだね」

「アイツら、メカを欲しがってたようだし」

「ジェネラルが二人してXローダーを持ってかれちゃ話になんねーしな」

「でも大丈夫かな、タイキくん……」



タイキ達はXローダーを取られたまま戻って来たが、その変わりに助けたピノッキモンを連れて来た。

そして一同はピノッキモンにつられ、廃棄された電車の中でダストゾーンの劣悪な環境や、グランドロコモンの話を聞いた。



「――…放っておけねえぜ!」

「グランドロコモンの支配から皆を助けないとね」

「コユリさん、なんだかタイキみたいです」

「えっ?そうかな?」

「お人好しな所が特に」

「コユリのお人好しは前からだぜ。ま、最近は更に度を増してるけどな」

「…そこがコユリの長所じゃないの?」



コユリの後ろで伏せていたヒョウルモンが言葉を漏らし、それにシキアモンが反論した。



「……なあタイキ、まずXローダーを取り返さないと」



ゼンジロウの言葉からXローダーの話になり、それを聞いたピノッキモンは悪巧みを考え、Xローダーを取り返す協力をすると言い出した。

タイキはピノッキモンを信用したが、彼が話す度に鼻が伸びていき、その光景にコユリは首を傾げて思考を巡らす。


――…鼻が…伸びてる…?まるでピノキオみたい。……あれ?ピノキオって嘘を吐(つ)くから鼻が伸びるんだよね…。ピノッキモンも同じなら、何か企んでるのかな……?


妙な所で発揮されるコユリの勘。

Xローダーを取り返しに向かう途中、それをヒョウルモンとシキアモンに話すと、二人共同じ考えだったようだ。そして、ピノッキモンが怪しい動きをしたらすぐに捕まえる、という方向になった。

ガーベモン達のアジトを包囲し、突入する。シャウトモンとタイキの説得により、ガーベモンはXローダーを返そうとしたが、天窓を突き破ってピノッキモンが現れ、Xローダーを持ち去ってしまった。



「っ…やっぱり……!」

「蛇雷(レーペレボルト)!!」

「ッ!……ブリットハンマー!」



ヒョウルモンの技をギリギリで躱(かわ)したピノッキモンは、陸地とアジトを繋ぐただ一つのレールを壊して去ってしまった。支えの一つを無くし、傾くアジト。

そんな中、コユリは胸騒ぎを覚えた。ピノッキモンの事でもグランドロコモンの事でもない、もっと別の何かに対する悪い予感。だが彼女にはその"何か"が分からず、ただ何事も起こらないようにと祈りながらペンダントを握り締めるだけだった。





胸騒ぎは悪夢の前兆





------(11/08/25)------
本当はグランドロコモンの話を飛ばす為にまたコユリに犠牲になってもらおうと思ったのですが(笑)、その方が面倒だと気が付いたので止めました←

アニメを観ながら同時進行で書いていくとコユリ達の出番が減っていきます……orz でもその方が早く書けるのも確かなんですよね(´Д`)





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