アカリ達の待つ場所に着いた瞬間、コユリの視界に飛び込んで来たのはダークナイトモンにやられているブルーフレアの姿だった。

その光景に、ソリフィアモンとシャウトモンX4Bが間に入り、ダークナイトモンを止めた。



「お前達、仲間じゃなかったのか?!」

「仲間割れなんてしないで!」



その時、神殿の入り口が光り輝き、傷だらけになったスティングモンを引き入れた。



「これは好都合!」



ダークナイトモンはネネを強引に抱き抱え、その光の中に飛び込んで行った。その一瞬、ネネの辛そうな瞳をタイキとコユリは見逃さなかった。

ダークナイトモンを追い掛けようにも神殿に入る事が出来ず、足止めを食らってしまった。

キュートモンとラティスモンが怪我人の手当てに急ぐ中、コユリもまた、救急箱を片手にキリハの元へと急いだ。



「あ、あの…キリハくん」

「ッ!……何だ、」

「ダークナイトモンに攻撃されてたから、怪我でもしてたら大変だと思って……」

「大丈夫だ、怪我などしていない」

「そっか、良かった」



キリハの返答にほっとし、コユリの表情は柔らかくなった。一方のキリハは、ばつが悪そうな表情を浮かべている。

用が済んだコユリは、タイキ達の元へ戻ろうとキリハに背を向けて歩き出そうとした時、キリハに手を掴まれた。



「キリハくん……?」

「ッ……い、いや…」



彼女の手を取ったのは無意識だったのか、キリハは慌てて手を離した。静寂が二人を包む。



「……それ、着けているんだな」

「え?う、うん」



何か話さなくては、と思ったキリハは、サンドゾーンで渡したルビーのネックレスに話を振った。



「だって、キリハくんがくれた物だから。大切にしてるよ」

「ッ……!」



ニッコリと微笑んだコユリを直視しないように、キリハは思い切り視線を逸らした。これ以上彼女の笑顔を見たら、きっと手放せなくなると本能で思ったからだ。



「……それじゃあ、ね」



少し淋しそうに言ったコユリは、小走りでタイキ達の元へと帰って行った。その後ろ姿に、辛そうな表情を浮かべたキリハを知っているのはメイルバードラモンとグレイモンだけだ。



「……コユリ」

「自分から出て来たりして、どうかした?」

「何であの坊主に会いに行くんだよ。今は敵はだろ」

「んー……どうしてだろ?」

「答えになってないぞ」

「ごめんごめん」



勝手にXローダーから出て来たヒョウルモンと並んで歩く。コユリはヒョウルモンの質問に少し考えてからまた口を開いた。



「上手く言えないけど……タイキくん風に言うなら、ほっとけないからかな」

「なんだそれ」

「私にも良く分からないんだ」



そう言って笑ったコユリに釣られてヒョウルモンも笑った。

戻ってみると神殿の前は何だか騒がしく、そこで一部始終を見ていたであろうベルゼブモンに話を聞き、全容を把握した。



「――…つまり、そのラブラブダンスをアカリちゃんとゼンジロウくんが踊れば神殿に行けるって事?」

「ああ、その通りだ」

「へー……頑張ってね、アカリちゃん、ゼンジロウくん!」



ラブラブダンスを観ていないコユリは簡単に言い、踊る張本人達が泣き付いた。

そんな事もありながら夜を迎え、皆が見守る中遂にラブラブダンスを踊る時が来た。

言いようの無い恥ずかしさから、アカリとゼンジロウは早く終わらせようと一心不乱に踊り出す。

想像以上の恥ずかしさから、コユリは言葉を失い、Xローダーから出ていたヒョウルモンとシキアモンは珍しく腹を抱えて笑っていた。

しかし、"愛"が神殿にいるデッカードラモンに通じ、神殿への道が開けた。



「二人共お疲れ様!」

「これでネネ達の所へ行けるぞ!」



その直後、遠くから爆発音が鳴り響いた。バグラ軍が攻めて来たのだ。

タイキはクロスハートを二つに分け、ピュアグロウと共に神殿へと向かった。





刹那的再会で





------(11/08/23)------
久し振りにキリハと絡みました(´∀`) タイトル通り少しの間でしたが……。

今月中には第一期を書き上げたいです!あ、第一期は東京からまたDWに戻る所迄です(●´ω`●)





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