新たなゾーンに向かう中、一同の会話はネネの話へと変わった。アカリとゼンジロウはそこまで気にしていない様だが、タイキは何か引っ掛かるモノを感じていた。



「コユリはネネと知り合いなんだろ?」

「うん、友達だよ。…そう思ってるのは私だけかもしれないけど……」



ヘブンゾーンでヒョウルモン達から伝えられた事を思い出し、言葉尻が小さくなっていく。



「コユリはネネのデジモンについて何か知ってるか?」

「スパロウモンとは良く遊んだけど、ダークナイトモンについては……」

「お、もうすぐ着くみたいだぞ」



ゼンジロウの言葉に、コユリの言葉が遮られた。白い光に包まれた思えば、次に見えたのは青空だった。

最初はヘブンゾーンと同じ空の上のゾーンかと思ったが、そうでは無い事にタイキとコユリは気が付いた。

しかし、時既に遅し。全員が真っ逆さまに落ちていく。



「ッ…リロード、リーツァモン!」

「大丈夫か?ジェネラル」

「な、何とかね……」



コユリはリーツァモンをリロードし、地面に叩き付けられるのを免れた。

デジモンを持たないアカリとゼンジロウの元にはベルゼブモンが向かい、タイキも咄嗟(とっさ)のアイディアで何とか助かった様だ。

全員がバラバラになったのを見て、コユリは更にコグロモンズをリロードする。



「一人はアカリちゃんとゼンジロウくんの元に向かって。後は効率良くこのゾーンの全体を調べて私に報告する事」

「リョウカイ!リョウカイ!」



パタパタと四方八方に飛んで行ったコグロモンズを見送った後、コユリはタイキの元へ向かった。



「タイキくん!」

「コユリ!助かったぁ……」



タイキ達をリーツァモンに乗せ、静かに着陸した。行動しやすい様にリーツァモンを戻し、ヒョウルモンをリロードした。

ヒョウルモンとドルルモンの話によれば、ここはフォレストゾーン、強者の集うジャングルらしい。



「データジュシンチュウ……データジュシンチュウ」

「あ、来たみたい」

「何が来たんだ?」

「アカリちゃん達の居場所だよ。さっきコグロモンを行かせてたの」



先手を取ったコユリの行動にタイキ達が感心していると、コグロモンがこのジャングル一帯の地図を映し出した。



「えっと……この赤い印が私達のいる所で、青い印がアカリちゃんとゼンジロウくんのいる所だね」

「結構遠いな」

「なら俺が行くぜ。バグラ軍がいないとも限らん。キュートモンが泣いているかもしれないしな」

「有難う、だったらスケットを……。リロード、リボルモン!」



ドルルモンとリボルモンを見送ったコユリ達の背後を"何か"が通った。

しかし、暫(しばら)くしてそう遠くない場所から爆発音が聞こえてきた。



「ッ何……?!」

「大方バグラ軍って所だろうよ」



ヒョウルモンの予想は的中し、周りをアトラーカブテリモンに囲まれてしまった。その中には、隊長と思(おぼ)しきコンゴウモンもいる。



「シャウトモン、バリスタモン、デジクロス! リロード、ナイトモン、ポーンチェスモンズ!」

「ヒョウルモン、シキアモン、ラティスモン、ハクシンモン、デジクロス!」

「頼んだぞ、皆……!」

「頑張って!」


二人の声を合図に、クロスハートとピュアグロウが戦闘を始めた。

確実にアトラーカブテリモンの数を減らしていく最中、コンゴウモンの背後から三元士の一人であるタクティモンが突如姿を現した。



「――…Xローダーを持つ人間が四人も集まっていたのでは仕方の無い事だな」



――…キリハくんとネネちゃんもこのゾーンに……。

そう思うと、コユリは無意識の内にペンダントを握り締めた。

タクティモンとコンゴウモンの会話から、バグラ軍の狙いはコードクラウンと"最強のデジモン"の様だ。



「コードクラウンと最強のデジモン……?それがお前達の狙いか!」

「貴公が知る必要は無い」

「貴方達は、私達が止めてみせる!」

「出来るかな?赤と白のジェネラルよ」



まるでコユリ達を試す様な口振り。タクティモンは蛇鉄封神丸を構えた。



「さ、始めようか」

「っ……!」



戦闘が始まるが、シャウトモンX2では力不足なのか、若干押され気味だ。丁度そこにドルルモン達が駆け付けた。

ソリフィアモンがタクティモンと戦っている間に、クロスハートはシャウトモンX4Bへとデジクロスした。

シャウトモンX4Bとソリフィアモンは交互にタクティモンと戦い、タクティモンが一旦この場から引いた。



「――…また会おう、赤の軍、白の軍……!」

「聴いて心に刻みやがれ、オレ達の名前はクロスハートだ!!」

「私達はピュアグロウ、覚えておけ、タクティモン!」

「クロスハートにピュアグロウか、分かった覚えよう」



高笑いを残してタクティモンは去って行った。だが、戦いが終わった訳ではない。



「カオスフレア!」

「神々の祈り(プリーチェノヴァ)!」



二体の技により、バグラ軍の残党は一気に消滅した。しかし、息吐(つ)く暇も無くベルゼブモンの案内でアカリ達の待つ場所へと急いだ。





それに価値はあるか




------(11/08/23)------
タイトルの"価値"と言うのはコードクラウンの事ですが、特に意味はありません(笑)

第三期が気になってしょうがない……早く情報ぷりーず!





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