とあるゾーンでバグラ軍と戦っていたコユリとキリハ。その途中ネネが二人の前に現れ、アイランドゾーンにいるクロスハートが窮地に立たされている事を告げた。彼女の話に、キリハはタイキの持つデジメモリが狙いでアイランドゾーンへと向かった。

ゲートを抜けると、そこには海が広がっており、コユリは久し振りに見た海に目を輝かせる。海上にはバグラ軍、陸地にはクロスハートがいる。それを見たキリハはそのまま陸地に飛び降り、コユリも恐怖心と戦いながらヒョウルモンに乗ってタイキ達の前に降りた。


「なかなかシリアスな状況の様だな」

「こ、こんにちはっ」


タイキ達は又しても突然現れたキリハとコユリに驚いている。現れた二人のジェネラルにバグラ軍のシードラモンは今にも襲い掛かって来そうだ。メイルバードラモンはキリハの命により、シードラモンを攻撃した。その力の差にタイキ達は開いた口が塞がらない。


「どうだ?俺がバグラ軍の奴らを叩き潰してやるぜ。お前のデジメモリを寄越せばな」


その言葉にタイキは表情(かお)を歪めた。元々キリハの取引に合意的ではないコユリも辛そうに視線を逸らした。


「何よ!取引なんかしないで、サクッと助けてくれればいいでしょ!」

「そうだ!人間同士、ここは協力するべきじゃ……」

「キリハくん……」


コユリがキリハに視線を移した、その時。痺れを切らせたネプトゥーンモンが声を上げた。このままではアーケロモンの命が危ない。


「……さあ、どうする」

「…お前の力は借りない。命の大切さが分からない奴の力は借りない!」


タイキはキリハの目を見ながら言い放った。


「……でも、一応感謝するぜ。お前のお陰で少しは敵の戦力も減った様だし」


分の悪過ぎる取引を持ち掛けられていたにも関わらず、礼を言うタイキにコユリは驚いた。タイキの言う通りバグラ軍の戦力は若干減った。それでもシードラモンは残っており、タイキはデジメモリを使おうとした。しかし、コユリがそこに待ったを掛けた。


「タイキくん、待って」

「君は……、」

「デジメモリは使わなくて大丈夫だよ。……ヒョウルモン」

「どうせ麻痺させて動きを止めろーとか言うんだろ?」

「うん、お願い」


ヒョウルモンは渋々いつもより威力の抑えた雷を落とす。それを喰らったシードラモンとネプトゥーンモンは一時的に麻痺し、動けなくなった。


「歯応えねえな」

「ありがとう、ヒョウルモン」

「助かったよコユリ!これでアーケロモンを奪還出来る!」

「ありがとうコユリさん!」

「私は何も……」


コユリの手を取り笑顔で言うタイキに、コユリは控えめに笑った。彼女のその姿にゼンジロウは「め、女神だ……」と呟き、見惚れている。それら全てにキリハが苛ついたのは言うまでもない。

タイキとゼンジロウ、シャウトモンX2は、シャコモンを道代わりにし、ネプトゥーンモンへと向かった。そこで何とかアーケロモンを奪還したものの、氷上に捕われてしまったタイキ達。絶体絶命のその時、ドルルモンが駆け付けた。


「あの野郎っ……」

「知り合いなの?」

「ああ……、元同期だ」


昔を思い出しているのか、ヒョウルモンの瞳がスッと細くなった。ドルルモンを加えたシャウトモンX4は苦戦しながらもネプトゥーンモンを倒した。しかし、ネプトゥーンモンが死に際に放った技が島に襲い掛かる。


「……!」

「コユリッ……!」


キリハは少し強引にコユリを抱き抱え、メイルバードラモンに乗って難を逃れた。コユリは固く閉じていた目蓋を上げる。気が付けばキリハの腕の中にいて、顔を上げると青の瞳と視線が交わった。


「あ、ありがとう」

「全く、気を付けろと言った筈だ」


そう冷たく言い放ったキリハだったが、思った以上にコユリとの距離が近く、内心かなり焦っていた。脳裏では雑念ばかりが飛び交う。それらを何とか振り払い、口を開いた。


「……このゾーンにもう用は無い。次のゾーンに行くぞ」

「コードクラウン、手に入るといいね」

「絶対に手に入れてみせるさ」




台本通りに劇は進まず



------(11/04/09)------
それにしてもXW夢全く増えませんね(・ω・`) 当分は自給自足の生活が続きそうです

12/07/27:加筆修正済み





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