あれからコグロモンの情報を元にコードクラウンの在り処へと向かったコユリとキリハ。しかしそこには既に先客の姿があった。


「ネネちゃん!」

「あら、貴方達も来てたの?」


黒のクロスローダーを持つジェネラル、天野ネネだ。態(わざ)とらしくそう言う彼女の手にはこのゾーンのモノであろうコードクラウンが握られている。


「残念だけどコードクラウンは先に頂いたわ」

「…仕方ないよ、ネネちゃんの方が早かったんだから」


コユリは眉を下げながら少し残念そうに笑った。温厚な彼女とは正反対のキリハは、力ずくでコードクラウンを奪おうと考えている。しかし、キリハの考えはネネに読まれていた様で。ネネは視線をコユリからキリハに移して口を開いた。


「駄目よキリハ君。そんな事をしたらコユリが悲しむわよ?」

「……何を言ってるんだ、君は」

「ネネちゃん、キリハくん。そんな事って?」


状況がいまいち理解出来ずに首を傾げるコユリに、勝手に出て来たヒョウルモンが状況説明をする。


「坊主が嬢ちゃんの持ってるコードクラウンを奪おうとしてんだろ」

「えっ…! 絶対にそんな事しちゃ駄目だよキリハくん!」

「チッ……、」

「そうよ、キリハ君」

「…へっ……?」


いきなり後ろから腕を引かれたコユリは蹌踉(よろ)けてしまった。そんな彼女を支え抱きしめたのは、腕を引いた張本人であるネネだ。


「ネネちゃん……?」

「少し位良いわよね?」


突然抱きしめられたコユリは困惑気味だったが、ニッコリと笑うネネに「少し位なら……」と承諾してしまった。キリハはネネに何か言いたげだがコユリがいる為何も言い出せない。そんなキリハを知ってか知らずか、ネネは更にコユリにくっ付く。


「……メイルバードラモン」

「どうした、キリハ」

「あの二人をどうにかしろ」


そんな事まで言い出したキリハを煽(あお)ったのは、純白のクロスローダーからまたしても勝手に出て来たシキアモンだ。


「男の嫉妬は醜いよ」

「嫉妬などしていない」

「嘘付き」


珍しく間髪入れずに話すシキアモンに少々押され気味のキリハ。そんな二人を他所に、コユリとネネはたわいない話を交わしていた。


「ねえコユリ」

「どうしたの?ネネちゃん」

「キリハ君の事好き?」

「好きだよ?」


ネネは異性として聞いているのだが、コユリにはそれが分かっておらず友達として答えている。


「それじゃあ、私は?」

「勿論ネネちゃんも好きだよ!」


笑顔で答えるコユリに、ネネも釣られて微笑んだ。


「行くぞ、コユリ」

「キリハくんっ……?」


ネネがいつまでもコユリに抱き着いている事に堪えられなくなったキリハは、少し強引にコユリの手を引いてネネから引き剥がした。彼女の手を掴んだままゾーン移動のゲートを開く。それにヒョウルモンとシキアモンは急いでクロスローダーへと戻る。


「コユリ、またね」

「うん、また会おうね!」




幼過ぎる感情の裏側で



------(11/03/01)------
何とかスランプを脱する事が出来そうです´`; そういえば、もうすぐゲーム発売ですね!私は勿論ブルーを予約しました´∀`

12/07/22:加筆修正済み





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