森を横断するようにゆっくりと流れる川。透明感溢れる澄んだ水は陽の光を反射させてキラキラと輝いている。バグラ軍が侵攻して来ていると言うのにこの森は恐ろしい程静かで美しい。コユリは川岸の岩に腰掛け、その白く綺麗な脚を水に浸けていた。そんな彼女の膝の上ではハクシンモンが丸くなり日向ぼっこをしている。愛用のブーツとニーハイ、そして鞄は岩の横に置いてある。


「大丈夫か?」

「うん、もう大丈夫だよ」

「そうか、」


ニッコリと笑うコユリに、キリハは安心したのか口元を緩めた。

先程コユリは脚を挫いてしまいこれ以上悪化させないように川に脚を浸けて冷やしている。彼女が救急箱を持っていたが、生憎湿布が入っていなかった為応急処置変わりだ。


「ニヤケてるぞ、坊主」

「ッ…!…ニヤケてなどない」


いつの間にか隣に来ていたヒョウルモンの言葉にキリハは顔を顰(しか)める。


「第一証拠が……、」

「おい、コグロモン」


すると陰の方からパタパタと一体のコグロモンが現れ、二人の前で宙に映像を映し出した。それは僅か数十秒前の映像で。


『大丈夫か?』

『うん、もう大丈夫だよ』

『そうか、』

「ほら見ろ、ニヤケてるじゃねーか」

「っ……!」


証拠映像に勝ち誇った顔でキリハを見るヒョウルモン。その二つ、特に後者に苛立ちを募らせるキリハは自身のクロスローダーを取り出した。


「リロード、グレイ……」

「どうかしたの?キリハくん、ヒョウルモン」

「いや、何でもない」

「いや、何でもない」

「?」


ハクシンモンの頭を撫でながら振り向いたコユリに、一人と一体は声を揃えて言った。余りにも綺麗に合った為コユリは不思議そうに首を傾げたが差ほど気にしていない。また彼女が川の方に視線を戻すと、今度はキリハとヒョウルモンの無言の睨み合いが始まった。

青いクロスローダーの中のメイルバードラモンは余りの下らなさに深い溜息を吐いた。一方のグレイモンは出してくれと騒いでいる。その時ハクシンモンの耳がピクリと動き、起き上がった。更に先程ヒョウルモンに呼び出されたコグロモンが騒ぎ出した。


「バグラグン、セッキンチュウ!バグラグン、セッキンチュウ!」


その言葉にキリハはグレイモンをリロードして臨戦態勢に入り、グレイモンは戦えると喜んでいる。コユリは置いていた荷物を持ち、シキアモンをリロードした。先程までキリハの横にいたヒョウルモンはコユリの横に付く。

静かだった森が突然騒がしくなってきた。規則的な大量の足音と木々を薙ぎ倒す重低音。その音と共にコユリ達の前にバグラ軍が姿を現した。


「見付けたぞ、青の軍!白の軍!お前達の持つコードクラウンを渡せ!」

「行け、グレイモンッ!」

「ヒョウルモンとシキアモンはサポートに回って!」




救世主に休息など無い



------(11/01/30)------
久し振りの更新で申し訳ないです(・ω・`)笑えてくる程酷く体調を崩しました(笑) ネネのクロスローダーの色が変わりましたが、あれは白なんですかね?それとも薄紫?私としては後者であって欲しい……。切実な願いですorz 3月発売のゲームは勿論ブルーを買います(笑) それから、軍の名前をひっそりと募集中です← 「こんなのはどう?」というのがあれば、拍手までお願いします(´∀`)

12/07/22:加筆修正済み





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