エグザモンとウォーグレイモンの力によって、次元の狭間から宇宙空間へとやって来た。そこから見える地球はD5によって赤く染まっている。

そして二人は語る。バグラモンが企てていたD5の事や、DWが分裂した理由。

DWが崩壊した衝撃でバグラ軍と戦っていた騎士団全員がデジメモリとなってしまった。二人は次元の狭間を漂っていたが、人間界に飛ばされたタクティモンに巻き込まれて空間の入り口まで運ばれて来たのだ。

アカリとゼンジロウが二人の声に気付いてデジメモリを引き抜いた事によって、現状へと繋がる。もし気付いていなければ、二人は石化し、コユリ達も次元の狭間を漂っていただろう。



「全く、お前達二人の幸運には呆れるよ。だが、そのお陰で俺達は助かった」

「キリハ……、」

「礼を言う、アカリ、ゲンゴロウ」

「ゼンジロウと言います!」



キリハとゼンジロウのやり取りにコユリはクスリと笑った。

そんな時、両手両膝を着いて俯(うつむ)いていたユウが小さな声で謝り、タイキは彼の前に片膝を着いた。



「――…ユウ、お前が悪いんじゃない。お前はダークナイトモンに騙されていたんだ」

「でも……!」

「まだ終わった訳じゃ無い。俺達がいる!それに仲間だっているじゃないか」

「っ…僕にはもう、誰もいない!」



ユウの目尻には涙が浮かんでいる。絶望するユウに、タイキはダメモンが蘇れる事を告げた。



「――…でも、コードクラウンはダークストーンになった……。元に戻るのかな……?」

「諦めるな!戦うんだ、ユウ。可能性がある限り!大切なモノを取り戻す為、大切なモノを守る為、俺達もそうやって戦って来たんだ!」

「でも…僕には……、」

「お前ならやれる。いや、お前にしか出来ないんだ」



そう言ってタイキが差し出したのは、ダークナイトモンが投げ付けたダークネスローダーだ。



「ジェネラルとして、一緒に戦おう!」

「ユウ」

「キリハさん…!」

「お前は一人じゃないぜ」

「うん、私達が傍にいるよ」

「コユリさん……!」

「ユウ!」

「やろうぜ!」

「ユウ君!」

「ユウ!」



タイキはもう一度ダークネスローダーを差し出し、ユウは戦う事を決意してそれを受け取った。

その瞬間、ダークネスローダーは目映い光を発しながら黄色のXローダーへと変化した。ユウの決意にXローダーが応えたのだ。



「良し!オメガモンを蘇らせるぞ!」



その掛け声と共に全てのデジメモリが浮かび上がり、オメガモンが蘇った。

時間が無い為、タイキはすぐさま作戦を立てる。それは余りにも危険な作戦だったが、タイキを信じてその方法に賭ける事を決め、地上へと降り立った。



「――…だが本当に良いのか工藤タイキ。君はたった一人で、恐るべき危険の中に飛び込まねばならん」

「やってみるよ。それでシャウトモンが救えるのなら。そう…俺は……!」

「「ほっとけない!」」

「えっ!?」

「だろ?」

「っ…ああ!」

「それで良い、俺達もお前に賭ける。今までと同じように」

「ありがとう!」

「おい!見ろあれ!」



ゼンジロウが指差した先にはバグラ軍の大軍が押し寄せて来ている。見た事も無い程の勢力だ。

キリハ達はすぐさまデジクロス、超進化させて作戦を開始した。

コユリはβ(ヴィータ)ルーツァリモンの背に乗って敵へと向かっていく。



「コユリ!最後位は派手に暴れても良いよな!」

「ジェネラル、出し惜しみは無しだぞ!」

「……βソリフィアモン!βルーツァリモン!全力で敵を撃破して!」

「そうこなくっちゃ!」



βソリフィアモンは上空から地上へと二双拳銃の銃口を向け、全弾撃ち尽くした所でそれを投げ捨て、今度はマスケット銃を両手に構えた。



「愚者へ送る葬送曲(デディレスカーレ)ッ!」

「魔王の鉄槌(ネヴァロフェリノス)ッ!」



巨大な氷柱が敵へと降り注ぐ。コユリは振り落とされないようにしっかり掴まっていたが、横から飛行部隊の攻撃を受けた衝撃で彼女の身体は宙へと投げ出されてしまった。



「っ……!」



ふわりとした一瞬の無重力感の後、身体は加速しながら一気に落下して行く。だがそんなコユリの下をZ(ジーク)グレイモンが横切り、キリハが両腕でしっかりと彼女を抱き止めた。



「変わらんな、お前は」

「キリハくん!」



キリハがコユリを降ろした時、Zグレイモンの横にβルーツァリモンが付く。



「大丈夫かジェネラル!」

「うん、大丈夫だよ!……キリハくん、」

「どうした?」

「今なら、ダブルクロス出来る気がするの」

「……!」



彼女の言葉に驚いた表情を浮かべたキリハだったが、すぐに口角を上げながら頷いた。



「ああ、今の俺達なら確実に……!Zグレイモン、大丈夫か?!」

「勿論だ」

「βルーツァリモンは?」

「問題無い」



二人の返答を聞き、コユリとキリハは背中合わせでXローダーを構える。



「Zグレイモン!」

「βルーツァリモン!」

「「ダブルクロスッ!」」



目映い光に包まれたZグレイモンとβルーツァリモンはその姿を変え、グレイモンDXとなった。その背にコユリとキリハが乗っている。



「行け!グレイモンDX!」





ここが正念場





------(12/03/03)------
アニメ沿いは残り一話!

ダブルクロスは少し無理があるかなーっと思っているのですが、どうしても二人のダブルクロスを書きたかったので(・ω・`;)





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