ダークナイトモンは圧倒的な力を持つバグラモンに勝つ為にXローダーを開発し、強いデジクロスの力を生み出す人間、ユウをDWへと引き込んだのだった。 「――…この世に私程価値のあるデジモンは、もう誰もいない!」 ダークナイトモンの右手に凄まじいエネルギーが集中し、攻撃体制に入る。 「ど、どうするよキリハ!」 「どうにも出来ん!一旦逃げろ!」 「魂さえも消し飛ばしてくれる。…ゴッドオブデススナッチャー!」 コユリとキリハはヒョウルモンやシャウトモン達を一旦Xローダーに戻しながら、データごと消滅させる右手から逃れる為に必死で走り続ける。 そして先程のバグラモンの攻撃で出来た亀裂へとネネが飛び込み、キリハもコユリを片腕で引き寄せて飛び込んだ。 「あ、ありがとうキリハくん」 「いや…怪我は無いか?」 「うん、大丈夫だよ」 「…フッ、無粋だな。実に見苦しい」 攻撃が収まったのを確認してからまた上へと昇る。 「勝ち目も無いのに生き残って何になるのかね?キリハ、コユリ、ネネ」 「生き残らなければ、反撃も出来ないだろう!」 「そうよ!どんな事があっても、私達は諦めない!」 「絶対に貴方を倒してみせる!」 「戦う駒が無くなったら流石にそうもいくまい。…ダークネスローダー、デジクロス!」 ダークネスローダーを掲げたダークナイトモンは、Xローダーの中にいるヒョウルモン達を取り込もうとする。 「ッ!このままじゃ…アイツに取り込まれちまう!」 「皆、耐えて……!」 「言われなくてもやってるよ…!」 強力なその力にヒョウルモン達が引きずり込まれそうになるのをコユリ達はXローダーを押さえて必死で抵抗していく。 「――…これが支配者の……頂点に立つ者の気分か。格別ですよ、兄上」 ダークナイトモンの高笑う声が辺りに響き渡った。 凄まじい力に人間が抵抗出来る訳も無く、三人は爪先立ちの状態まで来てしまった。後少しでも気を抜けば強制デジクロスされてしまう。 「――…ある意味ゴールとは虚(むな)しいものだ」 その時、少し離れた特別棟から爆発音が鳴り響き、土埃を巻き上げながらゆっくりと倒れていくのが見えた。それと同時に強制デジクロスの力が途切れ、吸収されずに済んだ。 「――…お前の施設は俺達が爆破した!ユウも返してもらったぞ!」 土煙の中から現れたタイキとメルヴァモン。彼女の腕の中にはユウの姿もある。 漸(ようや)くネネはDWに来た理由であるユウを取り戻す事が出来、力一杯彼を抱き締めた。 「本当に良かったね、ネネちゃん!」 「ありがとうっ!」 ネネは心底嬉しそうに微笑み、コユリも自分の事のように喜び、微笑み返した。 「――…ユウからデジクロスのパワーを引き出せなくなったか。…だが今更それがなんだ!」 デジクロスの力はユウから引き出していたものだった為、彼がいない今ダークネスローダーは使い物にならなくなってしまったのだ。 ダークナイトモンは苛立ったようにダークネスローダーを地面へと投げ付けた。そして小さくなったダークネスローダーはタイキの手の中へ。 「この身体一つで全てが叶う。このまま人間界とDWを融合させるD5を遂行し、全てを我が物にしてくれよう。それこそ私に吸収された兄の供養だ」 このままでは全ての世界がダークナイトモンの手に堕ちてしまう。 そこでタイキは、ダークストーンを破壊する事を考え付いた。それさえ破壊出来れば、D5は止める事が出来る。 「良いね。状況が絶望的でも、目標が出来るって言うのは。張り合いがある」 「うん、私もキリハくんと同意見」 「やってみましょう。皆大丈夫?」 ネネの問いに、Xローダーの中にいるシャウトモン達が口々に応えていく。 「良し!行くぞ!」 「「グレートクロスッ!」」 四人はXローダーを掲げてグレートクロスをし、シャウトモンX7はダークナイトモンへ立ち向かう。 「クロスバーニングロッカー!」 僅かな可能性 ------(12/03/02)------ 特に反応はしませんでしたが、ダークナイトモンがコユリを名前で呼びましたね(笑) バグラモンの力が手に入ったからコユリには興味が無くなった、と言う感じです← |