グランドジェネラモンを撃破した一同は、本物の大魔殿へとやって来た。張り詰めた空気が痛い程肌を刺す。

気合いを入れ直した時、こちらに気付いたバグラモン直属の親衛隊が雄叫びを上げながら向かって来た。ここまで来て面倒な事はせず、シャウトモンX7で対抗して行く。

敵を一気に倒し前へと進んでいたその時、何かを知らせるような鐘の音が大魔殿から鳴り響いた。すると一同の目の前に、ビショップチェスモンが姿を現した。



「バグラモン様の御出座だ」

「バグラモンっ……!」

「精々恐怖に震え、その偉大さに跪(ひざまず)くが良い」



ビショップチェスモンが笑いながら消えたのと同時に、目の前に閃光が走り、バグラモンが現れた。その斜め後ろにはダークナイトモンも立っている。



「バグラモン……!」

「コイツは…唯ではすまないぞ、タイキ!」

「っ…分かってる……!違う…今までのデジモン達から感じるものと、何か根本的に違う!」

「そうだね……。…胸が苦しくなる位嫌な感じがする……」



バグラモンの持つ空気だけで既に圧倒されている。その邪悪な空気を誰よりも感じ取ったコユリは顔を顰(しか)めた。



「――…七人のデスジェネラル、そして我が弟ダークナイトモンの攻撃をも撥(は)ね除けた君達を、素直に称賛しよう。見事だった」

「ダークナイトモンが、弟っ……?!」

「「ッ……!」」

「その褒美として、今日は素晴らしいものを見せてやろう」



バグラモンがそこまで言った時、シャウトモンX7はタイキの制止を振り切って攻撃を仕掛けた。

だがバグラモンには全く効いておらず、逆に捕まってしまった。そして地面に投げ出され、デジクロスが解ける。



「――…X7が手も足も出ない!」

「なんて化け物なの!?」

「これがバグラモンの力っ……」

「私はただ素晴らしい敵と認めた君達に、晴れの日を見せてやりたいだけなのだよ。究極の破壊の日を」



究極の破壊の日、D5。アポロモンが言っていたバグラモンの目的だ。

その時、バグラモンの身体の中からダークストーンが見えた。そしてバグラモンはD5の意味を語った。

D5とは、Dimension(ディメンジョン)、Delete(デリート)、Deadly(デッドリー)、Destruction(ディストラクション)、Day(デイ)の略称である。



「――…即ち暗黒の力が全ての次元を破壊、融合させる日の事だ。人間さえも滅び、全時空が我が領土となる」



D5の意味に驚愕し、コユリ達は息を呑んだ。言葉など出ず、バグラモンはそのまま話を続ける。



「諸君も立派な協力者だ。デスジェネラル七人が倒される事も想定内。むしろ彼等自身の無念も、負のエネルギーとなり、ダークストーンの完成をより早める効果を生んだ」

「そんな……っ!」



タイキはある事に気が付いた。バグラモンの右手には見覚えがあったのだ。

タクティモンとの戦いの最中に起こった竜巻から現れ、人間界に飛ばした手だ。



「奴には元々空間に影響を及ぼす力がある。それがもっと強くなったら……!」

「そう、こういう事が出来る」



そう言ってバグラモンは右手を上空へ伸ばす。そしてその右手は次元を越えて人間界へと現れた。



「――…見たまえ、反逆者の人間諸君。今日がD5その日……。諸君の故郷の終焉の日だ」

「駄目よ、止めなきゃ!」

「リロード、サイバードラモンッ!」

「リロード、ピュアグロウっ!」



シキアモン達が束になって向かうが、バグラモンは左手だけで軽々と跳ね返す。

バグラモンの力によってコユリ達の足元には亀裂が走り、そこからタイキとメルヴァモン、そしてナイトモンが落下してしまった。



「タイキ!」

「タイキ君!」

「タイキくん……!」





世界滅亡への足音





------(12/03/01)------
着々と最終回まで進んでますが、最終決戦後、オリジナルが三、四話程入る予定です。

キリハがアメリカへと旅立った理由が分かっていないので、自分で理由を作っちゃえ!←と思いまして(笑) 妄想のオンパレードです((蹴





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -