ダークナイトモンはデスジェネラル同様、シャウトモンから心を奪った。そしてその次の標的はタイキとなり、先程と同じ光がタイキへと向かっていく。

その時、タイキを守る為にドルルモンが自ら光へと飛び込んだ。ドルルモンもシャウトモンと同じように瞳からは光が消え、力無く倒れた。



「タイキ!撤退だ!メイルバードラモンに乗れ!…グレイモン、戻れ!」

「ヒョウルモンも戻って!」

「タイキ君!」

「シャウトモンとドルルモンは……!」

「私達が運ぶよ!」

「頼む!」



この場から引き上げようとコユリ達はメイルバードラモンに乗り、スパロウモンとメルヴァモンがドルルモンとシャウトモンを担ぐ。



「無駄な事を……」

「タイキッ!」



更に襲い掛かって来た光に、今度はバリスタモンが身を犠牲にしてタイキを守った。



「バリスタモン!」

「行くぞ!メイルバードラモン!」



そうして何とか逃げ切る事が出来たが、すぐに見付かってしまうだろう。岩陰でこれからどうするか言葉を交わす。



「――…待っててくれよ。必ず心を取り返してやるからな……!その時は、オレーグモン、アポロモンの心も一緒に……!」

「アイツ等はデスジェネラルだぞ」



オレーグモンとアポロモンを助ける事に反対だと言うキリハに、タイキは二人を信じたいと言い切った。その言葉にキリハが折れて助ける事を承諾したが、心を取り返す方法が分からない。

するとメタルグレイモンがネオヴァンデモンに吸収された時の事を語った。その時はシャウトモンが自らネオヴァンデモンに吸収され、メタルグレイモンを助けたのだ。

その話から、タイキはある一つの方法を思い付いた。



「そうか!その手があったか……!」

「えっ?」

「タイキくん?」

「タイキ、何をするつもりだ?……お前、まさか…!」



タイキは自ら心を奪われ、転送先であるプリズンランドからシャウトモン達の心を連れて帰ると言うのだ。



「無理だ!人間とデジモンは違う!」

「そうよ!転送を繰り返したら、人間の心なんてどうにかなってしまうわ」

「タイキくん、幾らなんでもその方法は危険過ぎるよ!」

「いや!デジモンに出来たなら、人間にも出来る筈だ!」



タイキはそう言って、Xローダーの中いるワイズモンにこの方法が可能かどうかを問い掛けた。ワイズモンはタイキの意見も一理あるとの事。



「――…俺は、人間もデジモンも一緒だと思ってる」

「タイキ君……」

「お前らしい考え方だ」

「そうだね」

「なんか嬉しいっキュー」

「工藤タイキ」

「「あッ……!」」



ダークナイトモンの声に頭上を見上げると、デスジェネラル達に囲まれてしまっていた。逃げ道は無い。勝ち目の無い戦いをするか、それとも降参するか。



「――…俺が行ってくる。今はそれしかない」



ならば一緒に行くと全員が口々に言うが、心を奪われている間ダークナイトモンが何をしてくるか分からないとタイキは続けた。



「――…そして俺が失敗した時は……皆の事を頼む」

「……良いだろう。ただし必ず戻って来い!失敗は許さん!」



タイキは最悪の事態を想定し、仲間をキリハに託(たく)した。彼は笑ってキリハに言葉を返し、ダークナイトモンへと一人向かっていく。



「タイキ君!信じてるからね!」

「絶対に戻って来てね、タイキくんっ!」

「応援してるっキュー!」



小さくなって行くタイキの後ろ姿に、コユリ達が声をかける。そしてタイキはダークナイトモンによって心を奪われ、身体がその場に倒れた。

一同はタイキがプリズンランドから戻って来るのを待つ為、彼の傍へと近寄る。ダークナイトモンは戻って来る筈が無いと嘲笑(あざわら)うが、コユリ達の心は一つだ。

――…負けないで…タイキくんっ……!





囚われの心





------(12/02/29)------
XWも最終回まで後僅か……。悲し過ぎて溜め息が止まりません← 映画は無いのかぁ……(´Д`)

……第二期も後少し!気持ちを切り替えて、気合いを入れて書いて行きますよ!(`・ω・´)





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