衛兵を全て倒し、住民達を楔(くさび)から解放したコユリ達は急いで塔を昇る。その途中にもタイキ達のいる最上階からは爆発音が鳴り響く。 そして先頭を飛んでいたZ(ジーク)グレイモンが壁を破壊し、タイキ達の元へ辿り着いた。 「――…掴んだな、タイキ!優しさだけでなく厳しさも加わった本当の強さと言うものを……!」 四人の視線が交わり、そして頷いた。全員の気持ちは一つ、アポロモンウィスパードを倒すという事だけだ。 「行くぞ、皆ッ!」 「「グレートクロス!」」 シャウトモンX7は直ぐ様ウィスパードに攻撃を仕掛けるが避けられてしまう。そしてウィスパードの力でバリアのようなものに閉じ込められてしまった。 「このブライトランドごと消え去るがいい……。この俺の究極の技、嘆きの太陽でな」 ウィスパードは左手を高く上げ、悍(おぞ)ましい色の"太陽"を出現させた。それは徐々に大きくなっていく。 それを食い止める為にも一刻も早くバリアから脱出しなければならない。だがシャウトモンX7は強力なバリアを打ち破る事が出来ないでいた。 「…あっ!キリハくん、ドラコモンだったら……!」 「そうか!リロード、ドラコモン! コユリの咄嗟(とっさ)の閃(ひらめ)きに、キリハはドラコモンをリロードした。ドラコモンは急いでバリアの一番弱い箇所を探す。 「――…分かった!シキアモン、メルヴァモン、ここを剣で突いて!」 言われた通りに二人がその部分を一気に突く。するとバリアには罅(ひび)が入り、シャウトモンX7は脱出する事が出来た。 既に完成した嘆きの太陽をシャウトモンX7が止めようとするが、力に差があるのか太陽に押されていく。 「…X7っ…頑張って……!」 コユリはペンダントを握り締めながらそう呟いた。 塔の下にいる住民やキュートモン達の声援がシャウトモンX7の耳に届き、それはアポロモンにも聞こえていた。 ウィスパードの動かない筈の右腕が左腕を止め、太陽を投げるのを阻止する。そこにアポロモンの姿が見えたのはタイキとコユリだけだ。 「あっ……」 「…アポロモン……。…っX7ッ!」 「セブンビクトライズマキシマムッ!」 シャウトモンX7の技は太陽とウィスパードを天高く押し上げ、上空で爆発した。 そこから落下してきたウィスパードは消え、アポロモンの姿に戻る。 「――…お前の正しい心を、誰も知らない……」 「…良いんだ、君だけでも知っていてくれれば。本当に、ありがとう」 アポロモンはバグラモンの思惑をゆっくりと語った。 「――…未来を頼んだぞ…若者達よ……」 「っ……!」 そう言い残して消えてしまったアポロモン。それを目の当たりにし、コユリは悲痛な表情を浮かべている。 「…心優しいデジモンが消えていく世界なんて間違ってるよっ……」 「この不条理な世界を俺達の手で変えるんだ……!」 「…うん、絶対に……!」 光に消えた ------(12/01/11)------ やっとブライトランドまで終わりました(・∀・) そして遂に最終局面へ……ではなく、オリジナルランド編に入ります。 コユリメインで進めていこうと考えていますが、多分そんなに面白くないと思うので←読むのが面倒だと思う方は六話程飛ばして頂ければと思います(´ω`;) |