ベルゼブモンと言う大きな犠牲を払い、ブライトランドへと戻って来た。逸(いち)早くゲートに飛び込んだスカルナイトモンは大魔殿へと帰って行く。



「ユウっ!」

「ダークナイトモンは大魔殿にお帰りか」

「ユウを追おうにも、アポロモンウィスパードを倒さないと次へは進めないぞ」

「…そうだったね、」

「どうするの?タイキ君」



丁度その時、ワイズモンがXローダーの中からタイキに呼び掛けた。アポロモンとウィスパードの分析結果が出たらしい。



「結論から言おう。アポロモンから、ウィスパードを引き離す術は無い」

「「っ……!」」



アポロモンとウィスパードは二つの心を持つ一体のデジモン。

恐らくバグラモンはアポロモンをデスジェネラルにする際、プログラムを再構築したのだとワイズモンは話す。

それにより、どちらかのデータを失っても全てのデータが破滅するように仕組まれているようだ。



「そうか……。ありがとう、ワイズモン」

「残念だ」



タイキの手に力が入り、Xローダーが小刻みに震える。そして決意した様に口を開いた。



「……答えは一つだ。…ユウと戦った時から決めていた。そして、ベルゼブモンの最期を見て、更に決意は固まった……!」



タイキは振り返り、Xローダーを掲げた。そしてコユリとキリハ、ネネも同じ様にXローダーを掲げる。共に戦ってきた仲間にそれ以上の言葉は入らない。



「……行こう!」



辺りには衛兵が彷徨(うろつ)いており、モニタモンズが侵入ルートを探しに行った。



「……コユリ」

「どうしたの?キリハくん」

「身体はもう大丈夫か?」

「うん、もう大丈夫。心配かけてごめんね」



コユリは眉尻を下げて申し訳なさそうにしている。するとキリハがそんな彼女の頭に手を置き、くしゃくしゃと撫でた。



「っ……!」

「お前が元気そうで良かった」

「…キリハくん、」



二人が言葉を交わしていた時、タイキ達は敵が何処かへ向かっている事に気が付いた。

モニタモンの情報によると、どうやら敵は塔の下に移動しているらしい。ウィスパードはタイキ達が戻って来た事を知らない様だ。

その情報にタイキはある作戦を立てた。現在衛兵達は塔の下にいる為、城の警備は手薄だろう。その隙を突き、タイキ達がウィスパードの元へ向かい、残りのメンバーで衛兵達を倒すと言うものだ。

一同はすぐにその作戦へと移行し、二手に分かれる。コユリ達が急いで塔を下りると、拘束された住民達が衛兵によって殺されようとしていた。それをリーツァモンやメイルバードラモンが食い止める。



「悪の王に、神を名乗る資格などない!」

「…うんん、国民を殺そうとするなんて…もう王ですらないよ……!」



コユリとキリハはXローダーを掲げてデジクロスした。



「不愉快な奴等め。こういう外道を見ると血が騒ぐぞ!」

「俺もさ、叩きのめしてやれ!」

「コユリ、今日位は徹底的に潰して良いよな?」

「……程々に…ね」

「その言葉感謝するぞ、ジェネラル」





決意の先に





------(12/01/11)------
中途半端な長さになったので半分に分けましたが……短いですかね;

今回のコユリはウィスパードの非道に憤りを感じているので最後にあんな事を言ったりしました(・ω・`;) …まあこれも成長の証しと言うことで←





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