β(ヴィータ)ソリフィアモンはコユリを片腕で抱き抱えながら敵を一気に追い詰めていく。するとそこにメルヴァモンが現れ、黒の城に行くようにと言った。

この場をメルヴァモンに任せたネネはシャウトモンX5と共にユウの元へ急ぐ。だがコユリとβソリフィアモンはその前にキリハのいる針山へと向かった。

敵を潜り抜けてやって来た針山には倒れたサイバードラモンとルーツァリモン、そして気絶したキリハがいた。

その光景を目の辺りにしたコユリはルーツァリモンをXローダーに戻し、思うように動かない身体でキリハに歩み寄る。



「キリハくん…キリハくんっ……!」

「っ……コユリ…?」



キリハが目覚めた事にコユリは安堵の表情を見せた。キリハはすぐに身体を起こし、ふらつく彼女を支える。



「どうしてお前が……?」

「…私、少しでも皆の役に立ちたくて……」



だが呑気に会話している余裕などなく、キリハはサイバードラモンをXローダーに戻す。そして二人はβソリフィアモンに抱えられて黒の城へと急いだ。

城ではデッドリーツワーモンヘルモードに苦戦するタイキ達がおり、キリハはすぐにメタルグレイモンを超進化させた。

そしてZ(ジーク)グレイモンがΩ(オメガ)シャウトモンに止めを刺そうとしたデッドリーツワーモンを攻撃。

突然現れたキリハとコユリの姿に、ユウは驚きを隠せないでいる。



「キリハさん?!そんな、死んだ筈じゃ……!薬が回ってる筈なのに…コユリさんまで……!」



そこまで言った所でユウは気が付いた。今この場にいるデジモンでグレートクロスを行える事に。



「行くぞ!タイキ、コユリ、ネネッ!」

「「グレートクロス!」」



四人の絆の力によってグレートクロスしたシャウトモンX7にデッドリーツワーモンの攻撃など通用しない。その強さで圧倒していく。戦いはすぐに終わり、ツワーモンはユウを抱えてこの場を逃げた。

薬の効果が弱まってきたのか、コユリは何とか一人で立てるようになった。だがやはり心配なのか、いつ倒れても支えられる様に隣にはキリハがいる。



「――…でも、俺かユウのどちらかが死なないと出られない仕組みだってユウは言ってた。それが本当だったら、どうすれば良いんだろうな……?」



タイキの問いに誰も答える事は出来ず、一同は一旦城に戻った。

タイキはワイズモンに薔薇の分析を頼み、その間にキリハとネネ、ルーツァリモンがユウを探しに出ている。コユリも行こうとしたが全員に止められてしまい、城で待機している状態だ。



「もう平気なのに……」

「何言ってんの」



シキアモンは呆れた様子でコユリの額を小突いた。彼女の痺れがまだ完全に引いていない事を分かっているのだ。



「――…やはりこの薔薇が、ブライトランドに帰還する為の鍵らしい。それに、ユウの言った通りこの花はプレイヤーの命と直結している」



開戦前のユウの言葉は本当だった様で、どちらかが死ななければこのヘルズフィールドからは出られない。



「ハクシンモンはゲートを開く方法とか知らないの?」

「…知らん、妾(わらわ)は全知全能の神ではないからのう」

「……嘘っぽい」

「もう、シキアモンこそ何言ってるの?」



タイキは急いでユウを探しに行こうとするが、ワイズモンに止められてしまう。するとそこに、ラティスモンとキュートモンの治療を受けていたベルゼブモンが影から現れた。



「――…大丈夫、ユウは任せろ」



タイキは頼もしそうにベルゼブモンを見たが、コユリは少し心配そうにしている。彼女の背後に、治療を終えたラティスモンが戻って来た。



「あっ、お疲れ様ラティスモン」

「…ありがとうございます」

「ベルゼブモンは大丈夫だと言ってたが……本当に大丈夫なのか?」

「……まだ少し、不安要素が残っています」



次の瞬間、突然ヘルズフィールド全体が激しく揺れ始めた。爆発音と閃光が止んだと思えば、外の風景が一気に変わっている。



「――…シャウトモン、デジクロスだ。あそこに向かう!」

「おう!やっと暴れられるぜ!」

「皆、私達も行くよ……!」

「ああ、気ィ引き締めてくぞ」





ぐらりと傾いて





------(12/01/10)------
タイトルが全然思い浮かびません……(´ω`;)

今月中に第二期終わるかな……。ただ第三期をどうするか…悩む所です(・ω・`)





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