第七の国ブライトランドは、一帯が枯渇しながらも美しい光が降り注ぐ、なんとも不均等な国だった。

ここまで辿り着いた事を噛み締めていた一同の元に、偵察に行っていたスパロウモンが慌てて戻って来た。

スパロウモンの案内で聳(そび)え立つ塔へ向かうと、そこには楔(くさび)で拘束され身動きが取れないトゥルイエモン達がいた。



「――…おい、大丈夫か?!今助けてやるぞ!」



タイキとシャウトモンがトゥルイエモンに駆け寄り楔を引き抜こうとするがびくともしない。



「無理だ……。これは日輪将軍、アポロモンの鉄槌の楔。誰にも外せない……」

「アポロモン?この国のデスジェネラルの……?」

「ああ、そうだ」



トゥルイエモンが言うには、アポロモンは住民達を生かさず殺さず、溢れ出す負のエネルギーをバグラ大魔殿に送っているとの事。



「――…最強の将軍だか何だか知らねぇが、間違いなく最低のキングだぜ!」

「ああ、お前の言う通りだよシャウトモン」

「行こうタイキ!奴を打ちのめしてこの国を救うんだ!」



アポロモンのやり方に憤(いきどお)りを感じたシャウトモンがそう言った瞬間、塔から眩しい程の光が降りてきた。その光の中から現れたのは、塔の使者であるセトモンとマルスモンだ。



「愚かしき反逆者よ。お前達がアポロモン様に謁見するなど、有り得ぬ話。いでよ!神の僕(しもべ)の獣達!」



セトモンの合図と共にグリズモンとドーベルモン達が現れた。



「「リロードッ!」」



コユリ達も軍をリロードする。途中からキリハとコユリがXローダーを掲げ、メタルグレイモンとソリフィアモンへとデジクロスさせた。



「――…アポロモン様!我にデジクロスの力を!」

「良かろう、セトモン」

「あれが、アポロモン?」

「でも姿が良く見えない……」

「デジクロス!」



セトモンの呼び掛けに現れたこの国のデスジェネラル、アポロモン。逆光によって姿は良く見えない。

グリズモンやドーベルモン達とデジクロスしたセトモンワイルドモードがタイキ達の前に立ち塞がる。



「私はこの国の神。さあ、どうする?反逆者の諸君」

「ヘッ!姿も見せずに神様気取りか!偉そうにしてんじゃねぇ!お陰でメラメラ闘志が燃えてきたぜ!」

「シャウトモンの言う通りだな……!」

「行くぞ!シャウトモン、ソリフィアモン!」



ソリフィアモン達は超進化し、更にΩ(オメガ)シャウトモンとZ(ジーク)グレイモンはダブルクロスをした。

だがアポロモンが放った楔によって、β(ヴィータ)ソリフィアモンとシャウトモンDXはその場に捕らえられてしまった。



「見ろ、それが神の怒りだ!グランドヒートストーム!」



二人はセトモンの技にも動じずに楔を切り裂き、地面を蹴り上げて跳んだ。



「ハイパーロックマグナムッ!」

「愚者へ送る葬送曲(デディレスカーレ)!」



βソリフィアモンとシャウトモンDXに負けている事を認めたくないセトモンはまだ戦おうとするが、アポロモンがそれを止めた。



「勝負あった。良かろう、私への謁見を許そう。アポロニアの塔を上ってくるがよい」



一同はマルスモンの案内により塔の階段を上って行く。始めこそは早足だったが、頂上が一向に見えない階段に足取りは重くなるばかり。今では全員が肩で息をしている。

疲労から足元がふらついて階段から落ちそうになったシャウトモンをマルスモンが助けた。



「お気をつけて、ここから落ちたら地獄です」

「地獄…?!冗談じゃねぇ!なんなんだ、この延々と続く階段はよ?!」



マルスモンの話によると、この階段は自らの足で上る必要があるらしい。その為外から飛んで上がる事が出来ないのだ。



「……コユリ」

「うん?」

「お前は壁際を歩け」

「へ?」

「落ちそうな気がしてならないんだ」



キリハはそう言ってコユリの手を取り、己の左隣へと移動させた。



「私そんな簡単に落ちたりしないよ?」

「お前、自分が今までどれ程躓(つまず)いて来たのか覚えてないのか」

「ヒョウルモンまで……」

「落ちたら地獄だ、壁際を歩けば落ちる事もないだろ」



落ちてしまえば助ける事も出来ない。だからこの時点で予防線を張っておくのだ。

キリハはコユリの手を握ったまま歩き始めた。それが気に食わないヒョウルモンがキリハを突き落とそうとしたが、シキアモンに止められてしまった。

そんな事が密かにありながらも、一同は漸(ようや)く頂上に辿り着いた。そこには地上とは真逆の美しい光景が広がっていた。



「…黄金の…花畑だ…」

「綺麗…だけど、」

「自分だけこんな綺麗な世界に住みやがって!益々気に入らねぇ!」

「この塔は、ひび割れた大地から命を吸い上げている。正に、悪魔の楔だな」

「……その通りだ」



そう言って奥から現れたのは最後のデスジェネラル、アポロモンだ。



「――…工藤タイキ、天野ネネ、蒼沼キリハ、凛堂コユリ。そして、その仲間のデジモン達よ。……見事だ、私は君達を待っていた」

「「えっ……?!」」

「今こそ打ち明けなければなるまい。この私が、本当は正義の側のデジモンだと言う事を」



アポロモンの発言に、一同の間には衝撃が走り、驚きを隠せないでいる。



「共に戦ってくれ。バグラモンを打ち倒し、究極の破壊の日…D5を止める為に……!」





輝きの国の正義





------(12/01/06)------
……案外ブライトランド編って長いんですね← 3話位だったかなーっ、としか考えていなかったので……完全に私の記憶違いですねorz

今月中に第二期を終わらせたいけど……書ける気がしない(・ω・`)





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