コユリはキリハの指示通りにソリフィアモンをタイキに託した。そしてリーツァモンの背に乗り、ネネと共に敵陣に向かう。彼女の横にはコグルモンが待機している。 「……コユリ、一つ聞いて良いかしら?」 「なに?ネネちゃん」 「もしかしたら犠牲が出るかもしれない作戦にどうして賛成したの……?」 「えっ……?」 「私、貴女なら反対すると思っていたから」 「……先言った通りだよ。私がキリハくんを信じてあげなきゃって思ったの」 「…コユリ…貴女……」 「話の途中悪いが敵のお出ましだ」 リーツァモンのその言葉に二人の会話はそこで途切れた。 分かってはいるもののヒポグリフォモンの大軍をいざ目の前にすると、僅(わず)かながら恐怖心が芽生えてしまった。 「ネネ来たよ…凄い数だよぉ……」 「泣き言言わない……行くわよ!」 「ジェネラル、振り落とされない様に気を付けろ」 「うんっ……!」 リーツァモンとスパロウモンは真正面から一気にヒポグリフォモン達を攻撃していく。二人は更に上へと飛び上がり、コユリとネネはデジクロスの為に飛び降りた。 「コグルモン、リーツァモン、デジクロスッ!」 「リロード、メルヴァモン!…スパロウモン、メルヴァモン、デジクロス!」 ルーツァリモンはコユリ、ジェットメルヴァモンはネネを受け止める。 ジェットメルヴァモンが技を仕掛けると、敵はそこに集中していく。ルーツァリモンはそこに集まろうとしているヒポグリフォモン達を攻撃する。 だがかなりの数で一向に減る気配が無い。その時、下からメタルグレイモンを従えたキリハが現れた。 ネネはキリハが助けに来たものだと思ったが、コユリは直感的にネネ達ごと攻撃すると思った。 「ネネちゃん逃げてっ!」 「えっ……?!」 「ギガデストロイヤー!」 コユリの勘は当り、キリハはネネとジェットメルヴァモンごとヒポグリフォモン達を攻撃した。 「っ…どういう事?私達まで巻き添え……?!」 「周りを見ろ!まだ敵は残っているぞ!」 「ッ……スパイシーハードラブ!」 「残りは任せた!」 そう言って去って行ったキリハの姿にコユリは悲しそうな表情を見せたが、すぐに気を引き締めた。 「ネネちゃん!大丈夫?!」 「ええ…なんとか……!」 「次は私達が……!ルーツァリモン、最果ての光景(アンピオリンテ)ッ!」 ヒポグリフォモン達は一瞬にして凍り付き、地上へと落下していく。 それからも減る気配の無い敵を相手に、作戦を成功させようと一心不乱に攻撃を続けた。 一体どれ程の時間戦い続けていたのか分からない。だが漸(ようや)くヒポグリフォモン達を倒したのだ。 コユリが門へ視線を向けると、そこには桁外れの敵に囲まれたキリハ達の姿が見えた。 傷だらけのメイルバードラモンとグレイモン。そして立ち尽くすキリハ。それだけで一体何が起きているのか分かった。 キリハはグラビモンに負けたのだ。 「…っ…キリハ…くん……!早く…早く助けに行かないと……!」 「落ち着けジェネラル。今我等が飛び込んで行っても死ぬだけだ」 「でもっ……!」 「コユリ、落ち着いて。今タイキ君に連絡するから」 ネネはクロスハートのリスターで敵に囲まれているタイキに通信を入れた。それに伴(ともな)い、ルーツァリモンとジェットメルヴァモンはタイキ達の真上に移動する。 するとタイキから指示があった。この窮地を脱する為に二人はその通りに動く。 「ルーツァリモン、ホワイトアウト!」 一瞬の猛吹雪によって敵の視界を遮(さえぎ)る。続けてジェットメルヴァモンがウロボロスゲートでタイキ達を攻撃。すると地面が抜けてタイキ達は落下し、二人もそれに続く。 「ナイス!ルーツァリモン、ジェットメルヴァモン!」 下には地下水脈があり、一同は何とか窮地を脱する事に成功。だがそこにキリハの姿は無い。 「――…あっ、そう言えばキリハは?」 「え?いねぇな、アイツ。まさか逃げ遅れたんじゃ……!」 「まさか…キリハが……」 「っ……」 ――…キリハくん……。 逃げ遅れたキリハを助けるべく、一同は地下水脈を急いで抜ける。外は既に朝になっており、出口が朝日に照らされて輝いている。 外に出た瞬間、眩しい程の朝日が飛び込んで来た。するとその方向から何かがやって来た。 見間違う筈がない、キリハとメタルグレイモンだ。 「キリハ!無事だったのか!」 「…タイキ、貴様を倒す為に俺は来た」 「…キリハくん……?」 「ギガデストロイヤーッ!……俺の強さを証明する為に……!」 悪魔が囁いた ------(11/12/30)------ 今日の更新に間に合わせようと思って急いで書いたので…少し雑ですね……← 次が凄く思い遣られますが…なるべく早く更新出来るように努力します(´ω`;) |