太陽が昇ってまだ間も無い頃、コユリとキリハはデッカードラモンからメイルバードラモンに乗り換えて海賊船へと向かっていた。 すると見えてきたのはあの巨大な海賊船と、少し離れた海上に捕らえられているネネ。 「…ネネちゃんッ!」 「コユリ、始めるぞ」 「うんっ……!」 メイルバードラモンが海賊船の上空を横切ると、シャウトモンがオレーグモンへと飛び降りた。次にキリハがロープを使って甲板へと降りる。そしてネネの元へと向かい、ロープを切って彼女を助けた。 「コユリ!」 「助けに来たよ、ネネちゃん!」 「三人共ありがとうっ」 甲板にいたシャウトモンはダークボリューモンへと飛び移った。 「いけない!皆を助けないと!」 「今は近寄らん方が良い」 「えっ?」 「巻き添えになっちゃうからね」 「そうそう、ヘヘヘッ」 無事にタイキを助けたキリハはデッカードラモンをリロードする。デッカードラモンが船尾に降りると、その重さによって船は傾き、半分が海に浸かった。その反動で甲板にいた殆(ほとん)どが海に投げ出された。 その隙にシャウトモンがダークボリューモンの回路を組み換えようするが、中々上手くいかない。シャウトモンはバリスタモンの心に問い掛ける為にタイキにデジクロスを頼み、タイキもそれに応えた。 だがすぐにデジクロスは解けてしまい、ダークボリューモンは頭上で飛行するメイルバードラモンに攻撃を仕掛けた。 「逃げろ!コユリ、メイルバードラモン、ネネッ!」 「食らいやがれ!ガッポガッポ・ビバ・オレーグナ!」 「…きゃあっ……!」 「「バリスタモンッ!」」 すると攻撃の威力は徐々に収まり、完全に止まってしまった。オレーグモンはダークボリューモンに近寄る。 「どうした、また不調か?早くしろよ、ガッポガッポ!」 「……ソノコトバ、ダイキライ!」 ダークボリューモン、否、バリスタモンがオレーグモンを殴り飛ばした。バリスタモンは自分自身でどちらが本当の自分なのかを決めたのだ。 そしてシャウトモンはバリスタモンのスピーカーを使ってクロスハートとグレイモンの洗脳を解いた。 「――…今だ!タイキ、コユリ、ネネ!」 キリハの呼び掛けと共に四人は己のXローダーを掲げてチームをリロードし、デジクロスさせた。 「ギガデストロイヤー!」 「神々の祈り(プリーチェノヴァ)!」 「スパイシーハードラブ!」 「最果ての光景(アンピオリンテ)!」 海に投げ出されていた金賊団を一気に畳み掛ける。 その一方でオレーグモンとシャウトモンX4Sは細い柱の上で戦っているが、オレーグモンに押され気味だ。更に腹心であるマーメイモンを倒された事に怒りを覚えたオレーグモンは、ソルトとヨルムンガンドを出現させた。 「ソルトとヨルムンガンドがっ……!」 オレーグモンの願いを叶えるべく、ソルトとヨルムンガンドは下っ端を倒していたソリフィアモン達を攻撃した。 「ソリフィアモン、ルーツァリモン!」 「ッ……大丈夫だ」 「…心配するな、ジェネラル」 ふらついているものの、まだ戦う力は残っているようだ。 「――…消えろ!時空の果てに!」 ソルトとヨルムンガンドの力によって空間が歪み渦を巻いていく。 ――…ソンナコトサセナイ。ナカマ、マモル……オレノチカラデ! そう心に決め、バリスタモンは自らデジクロスを解いた。 「アルティメットスピーカー!」 スピーカーから流れるのは、先程のオレーグモンの声。それによってソルトとヨルムンガンドが時空の果てに飛ばされてしまった。 そしてオレーグモンは自分の声によってバリスタモンに倒された。足元から光の粒子となり消えていく。 「――…仲間はお宝、大事にな」 「厄介な敵だったが、最期は潔かった。そこだけは認めてやる」 オレーグモンは愉快そうに笑いながら消えていった。彼の最期の言葉がコユリの胸に響く。 「……仲間は、お宝」 「コユリ、どうかしたのか?」 「う、ううんっ…!何でもないの」 「?…そうか」 その言葉に揺らぐ ------(11/12/29)------ 次はとうとう暴走回……ではなくその為の前フリです(´ω`) 少し「(・ω・`)?」となってしまうかもしれませんが、いずれ更新する番外編を読んで頂ければ分かると思いますので……← |