次の国へ移動している最中、大魔殿と悍(おぞ)ましい色のコードクラウンが見えた。 デスジェネラルを倒して来ているにも関わらず悪の力は弱くなるどころか益々強くなっている。それに不審を抱きながら一同は次の国へと急いだ。 第五の国に着いた途端に全員が落下し、黄金に輝く海へとダイブした。 「きゃあっ……!」 「っ……大丈夫か?」 「う、うん……なんとか」 キリハがリロードしたデッカードラモンはフロートモードへと変わり、海を渡れるようになった。タイキ達はデッカードラモンに乗り、コユリもキリハに引き上げられて乗り込んだ。 海上を進んで行くと金塊で出来た沢山の島が視界に映り、シャウトモンは興奮したように口を開いた。 「すっげぇ眺め!あの島全部金塊で出来てんのか?」 「わぁ……綺麗だね」 「そうだな」 お前の方が綺麗だ、なんて臭い台詞を流石のキリハも言える訳が無く。 「あら、コユリの方が格段に綺麗よ?」 「アハハっ…お世辞でも嬉しいよ、ネネちゃん」 だがそれすらも簡単に言って退けたネネは、何か言いたげなキリハと空中で火花を散らす。だが案の定コユリはそれに気付いていない。 そんな会話をしている最中、ドルルモンは宙に靡(なび)いている筈の軍旗が無い事に気が付いた。 シャウトモンが空を見上げた瞬間デッカードラモンが揺れ出し、全員がバランスを崩す。急に潮の流れが変わり、巨大な渦潮へ吸い込まれているのだ。 その衝撃によってコユリの身体が海に投げ出されそうになったが、間一髪でキリハが彼女の肩を抱き寄せて難を逃れた。 「っ……ごめんね、キリハくん」 「いや、気にするな。お前が無事で良かった」 「ありがと……っキリハくん、あれ!」 コユリは渦潮の中から何かが上がって来ている事に気が付き、その方向を指差した。 「来るぞ!この国のデスジェネラル!」 そして海面に現れたのは巨大な海賊船。その舳先(へさき)には黄金の鎧を纏ったデジモンが立っている。そのデジモンこそがこのゴールドランドのデスジェネラル、オレーグモンだ。 「――…ガッポガッポ・ビバ・オレーグナ!」 「な、なんだそりゃ」 「聞けば誰でも俺様に跪(ひざまず)く、この国の魔法の呪文さ」 「魔法の…呪文、」 「そう、魔法の呪文だ。お前らもこれを唱えて俺様の軍団、金賊団に仲間入りする事になる!」 オレーグモンはそう言って高笑う。このゴールドランドまでタイキ達の噂は流れていたらしい。 「工藤タイキ、蒼沼キリハ、凛堂コユリ、天野ネネ。そしてその仲間のデジモン達、シャウトモン以下総勢三十六名+α」 「私達の事、そんなに詳しく……」 その情報からタイキ達を強敵と認めた上で仲間に迎え入れると言うのだ。それを真っ先に否定したキリハは、グレイモンとメイルバードラモンをリロードした。 オレーグモンの話では次の国へ行くための軍旗は海底にあるらしく、海賊船がなければ先には進めないとの事。 それを聞いたキリハが船を奪うと答えたのと同時に、メイルバードラモンとグレイモンがオレーグモンへ攻撃を仕掛けた。 そこから両軍入り乱れての総力戦が始まった。 黄金の海にて ------(11/12/25)------ やっとゴールドランド編に突入です(´ω`;) キリハが再登場だと言う事で、来月末までには第二期を書き上げたいです……。 |