スプラッシュモンの攻撃によってシャウトモンX4のデジクロスが解けてしまった。どうやって倒せば良いのかと悩むタイキ達の前に、コユリが一歩前へ踏み出し、Xローダーを構えた。



「勝ち目ならあるよ」

「コユリ、一体何を……。そうだ!凍らせれば良いんだ!」

「ルーツァリモンか!」

「全く、我を忘れるとは酷いジェネラル達だ」



幾ら攻撃が通じずとも、凍らせる事なら出来るのではないか。コユリはそう考えたのだ。漆黒のドラゴンが彼女の横へと付き、敵を見定める。



「凍らせたとしても、溶けてしまえばまた復活する筈よ?」

「だからこそ砕くんだよ。全員が全力で攻撃を加えれば、跡形も無くなるさ」



ソリフィアモンは槍を軽く振るいながら言った。

スプラッシュモンの非道の数々に怒り、シャウトモン達は超進化し、更にΩ(オメガ)シャウトモンとZ(ジーク)グレイモンがダブルクロスしたが、スプラッシュモンはそれがどうしたと鼻で笑っている。

唸り声を上げて攻撃を仕掛けて来たスプラッシュモンに、β(ヴィータ)ルーツァリモンは真正面から反撃する。その際前足の一部が凍り付き、水虎はたじろぐ。



「ッ!…凍っただと……!」

「βルーツァリモン、魔王の鉄槌(ネヴァロフェリノス)!」



上空に現れた無数の氷柱を必死に避けるスプラッシュモンは、距離を取る為に後ろへと跳んだ。その瞬間、コユリが声を上げた。



「氷上の闘技(ロレラジェレード)ッ!」

「なっ……!この私がッ……!」



空中ならば逃げも隠れも出来ない。その一瞬を狙った攻撃は見事に的中し、スプラッシュモンは瞬く間に凍り付いた。

それを待っていたとばかりにβソリフィアモン、シャウトモンDX、ジェットメルヴァモンは、凍り付いて落下していくスプラッシュモンに全力で攻撃を加える。



「女神の舞踏曲(バレラインディアーノ)!」

「ブレイブビートロックダブルクロスッ!」

「ハートブレイクショット!」



それらの技により、スプラッシュモンは文字通り跡形も無くなった。雪に似た粒子がコユリ達へと降り注ぐ。

凍り付けのスプラッシュモンのいた位置からダークネスローダーが地上へと落下し、爆発した。これによってスプラッシュモンを完全に倒した事となり、空に靡(なび)く軍旗はクロスハート、ブルーフレア、ピュアグロウのエンブレムへと変化した。



「わっ、雪みたい」

「だが所詮データだ」

「そうだね……。無事人間界に帰れたら、本物の雪、見に行きたいな」



コユリ本人に自覚は無いが、上目遣いでキリハを見て言った。それに胸がドキリと高鳴ったキリハは、若干言葉を詰まらせながらも応える。



「あ、ああ…そうだな」

「良かった!皆で行けると良いねっ」

「……は?」

「残念だったわね、キリハ君」

「う、煩いっ!」



無自覚ながらもデートの誘いと思ったキリハだったが、その夢は呆気なく崩れ去った。その事をネネに弄られるキリハと、その光景に首を傾げるコユリ。そしてその一部始終を見ていたタイキはいつも通り苦笑いを浮かべていた。





悪を断ち切る氷





------(11/12/04)------
凍らせる事が出来るのにアニメ通りに勝つのはちょっと違和感を感じてしまった結果がコレです← かなり呆気なくて申し訳ありません……。

次回からやっとゴールドランドです。なんとか年内には……(´`;)





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