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最近気が付いたのだが、毎日花を買いに来る人を好きになっていた自分がいた。名前は宗像形さん。宗像さんが私の心を埋め尽くす。彼はいつも自宅に飾る花を探していると言って私のおすすめを買って帰る。そして今日も彼は店を訪れた。だが今日は少し事情が違うらしい。


「御自宅用ですか?」

「いや、今日は女性に贈る花を探してるんだ」


その一言に心臓が痛いほど動悸がする。思いがけない言葉にも、平然を装って何とか会話を続ける。


「っ恋人、いたんですね」

「…片想いだよ。僕が勝手に好きなだけ」


片想いの相手を思い浮かべているのだろうか。愁いを帯びた瞳が一瞬細まる。辛いけど、何か言わなくては。


「…そう、なんですか」

「厄介だよ。中々捕まらなくて」


聞きたくない。それ以上は何も言わないで。何と言っていいのか、もう言葉が出なくなってしまった。


「……」

「こうして毎日花を買いに来てるのに気付いてくれない」

「えっ、」

「これは君にあげる為の花だよ」


にっこりと微笑んだ宗像さん。その言葉を理解してから湧き上がる安堵で思わず泣きそうになってしまった。



[13/03/18]
Twitterのmoeru_botより。やっぱり落ちが弱いのは何とかしなければ。
title:瑠璃


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