「小次郎って昔は眼鏡じゃなかったよね?」 眼鏡のレンズを眼鏡拭きで拭く小次郎を見ていてふと思った疑問。確か学生の頃は眼鏡なんてしてなかった筈。 「フランスに来てから視力が落ちたんだよ」 確か久々に会った時は眼鏡の小次郎に違和感があったけど、今じゃ眼鏡をかけてる方が格好いいと思ってしまう。まあ私が若干眼鏡フェチっていうのも影響してると思うけど。 「私は視力良い方だからよく分かんないんだけど、目悪い人ってどんな風に見えてるの?」 「…そうだな、」 興味本位で尋ねてみると、小次郎はぐいっと顔を近付けて来た。あまりの近さに思わずドキドキしてしまう。 「これ位近付かないとアヤメのアホ面がはっきり見えない位ぼやけて見えるぜ」 「なっ…!誰が、」 アホ面だ!と反論しようとしたが、その言葉を発する前に私の唇は彼によって塞がれた。ちゅっと可愛らしいリップ音をわざと立ててから顔を離した小次郎は、無邪気な子供のようににやりと笑ってみせた。 「隙ありすぎだ。もう少し警戒してないと襲うぞ」 「…小次郎になら襲われてもいいよ」 「っ……、」 思わず言葉を詰まらせて照れる小次郎が可愛く見えたのは私だけの秘密。 [13/08/05] 四宮祭りその7。何が書きたいのかよく分からなくなった話。 title:微光 戻る |