今日の非番は私と悠一くん。最近は一緒の日が殆ど無かったから、支部長の計らいだと思う。支部長には感謝しないと。だから今日は私の我が儘で久々のショッピングデートだ。そして立て続いた防衛任務の鬱憤を晴らすように、悠一くんに見立ててもらいながら買い込んだ。時期的にセールだったことも作用して、帰る頃には両手が荷物で塞がっていた。 「アヤメ、今日はまた随分買ったな」 「だってどれも可愛すぎたんですもん」 「おれはそんなこと言うアヤメの方が可愛いと思う」 「もう、何言ってるんですか」 笑ってそう返せば、悠一くんも釣られて笑う。そんな彼が荷物を持ってくれると言うが、自分で買い込んだのだから持たせるのは悪い。 「遠慮するなって」 「あっ……!」 その言葉と共に隣からするりと荷物を取られてしまった。結構重かったそれを軽々と持つ悠一くん。 「これくらい大丈夫ですよ……!」 「アヤメが荷物持ってたら手繋げないだろ?」 「!」 にこやかに、且つ爽やかに言ってのけた悠一くんがとても素敵で。そのまま彼は、思わず見惚れてしまっていた私の手を取り優しく握った。 「ん?どうした?」 「あっ…いや、その……」 「…あ、おれがカッコよすぎて見惚れてた?」 「は…はい、」 どうやら彼には全てお見通しのようで。それが恥ずかしくて頬に熱が集中していくのを実感しつつ小さく頷いた。 「アヤメ」 「…?」 名前を呼ばれ下げていた視線をふと上げると、目の前には悠一くんの顔が。そのまま声を発する前に唇に柔らかな感触と小さなリップ音。 「…え、あっ…ゆ、悠一くんっ……!」 「ははっ、やっぱりアヤメは可愛いな」 上機嫌に笑う彼も格好良くて、また見惚れてしまう私がいた。 [13/10/02] Twitterのmoeru_botより。付き合いたての二人。 title:微光 戻る |