カイはネネとユウを救う為だけにDWに来ていたからか、コードクラウンには余り執着せず、ゾーンを転々としていた。その為バグラ軍のごく一部にしかカイの存在は知られていない。そしてネネもまた、カイの存在には気付いていない。もし知っていたら必ず接触してくる筈だからだ。

想いが交錯する中、ネネがトワイライトからクロスハートに加入したと言う噂をカイは耳にした。今はとあるゾーンにいると言う。やっと手に入れたネネの情報に、会える事を神に祈りながらそのゾーンへと移動した。



***



「本当にいるのか?」

「絶対に見付けるんだ」

「そうだったな」


メイルバードラモンに乗りながら、目を凝らしてネネを捜す。


「…おい、あそこに人間がいるぞ」

「……ネネッ!」


メイルバードラモンの言った先に視線を向ければ、そこには捜し求めた愛しい人物がいた。久し振りに見た彼女の姿に胸が高鳴る。初めて見るがクロスハートて共に行動しており、噂は本当だった様だ。


「どうする、すぐに向かうか?」

「……いや、一人になった所で接触する。それまで待機だ」

「分かった」


暫く観察を続けていると、別行動になった様でネネが一人で森に行くのが見えた。メイルバードラモンはカイの命令が無くともネネの背後に降り立った。


「ネネッ!!」

「っ…カイ……?」

「ああ、俺だ。カイだ!」


人間界にいる筈の幼馴染みが目の前にいる事が今だに信じられないのか、ネネは言葉を失っている。


「俺はあの時、お前とユウを追い掛けてここまで来たんだ」

「嘘っ……」

「嘘じゃない。さあ、一緒に帰ろう」

「…っ駄目よ、まだユウが……!」


ネネは時折辛そうな表情をしながら、今まであった事を全て打ち明けた。


「――…だったら、一緒にユウを取り返そう」

「でも貴方に迷惑が……!」

「言っただろ?俺は二人を助ける為に来たんだ。迷惑も何もないだろ?」

「……そう、ね。ありがとう、カイ」


ふんわりとした彼女の笑みに、カイは恥ずかしくなって視線を逸らした。そんな至福の一時に、邪魔する輩が一人やって来た。


「ネネすわぁん!俺もお供しまーす!」

「あ、」

「チッ……!」


ゼンジロウだ。ハイテンションだったゼンジロウも、カイの灰色の鋭い瞳に睨まれ、その場で立ち止まってしまった。


「大丈夫よ、彼も仲間だから」

「上から観ていたから知ってる」

「ネ、ネネさん……その方は一体……?」

「俺は……」

「ただの幼馴染みよ」


ネネはカイの言葉を遮り、ハッキリ「幼馴染み」と発言した。彼女のその言葉にカイは少なからずショックを受けた。

取り合えずクロスハートにカイを紹介すると言う事で、タイキ達と合流する事になった。それまでの時間をネネの隣になる為に、カイはもう一度ゼンジロウを睨みつけてネネの隣を確保した。

手を繋げる距離にいたがネネはカイの事を幼馴染みとしか思っていない為、カイが行動に移す事は無かった。





------(11/08/24)------
今のところ、ネネ[幼馴染みの壁]←←←カイって感じですね。あと二話……何書こう((蹴




戻る


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -