最初の頃は姉さんに似ているから好きなんだと思ってた。でも、一緒にいると姉さんとは何もかもが違う事に気が付いた。

優しい声色、ボクの頭を優しく撫でる手、そして聖母の様な微笑み。いつしかその全てに惹かれていく自分がいた。ミオさんが好きだから独占したい。その欲望だけがボクをつき動かす。

一人で眠れないなんて嘘。一人じゃ寂しいなんてのも嘘。嘘ばかりついてミオさんと一緒にいた。ミオさんも嫌な顔一つしないでボクと一緒にいてくれた。

でも最近はボクを見てくれなくなった。正確に言えば視線を合わせていても、心ここに在らずって感じ。

ずっと一緒にいたからボクには分かる。ミオさんはタイキさんが好きみたいだ。そしてタイキさんもまた、ミオさんの事を必要以上に気にかけている。

タイキさんが憎い。いつかタイキさんと戦って勝つまでは、何としてでもミオさんをボクと繋ぎ止めなきゃいけない。

ミオさんの優しさに付け込む様だけど、大好きだから束縛の意味を込めて聞いてみた。


「ミオさんはずっとここにいますよね?」

「えっ……?」

「本当はトワイライトに来て欲しいですけど……ずっとバグラ軍のジェネラルでいますよね?」


あ、今動揺した。隠しているつもりでも、微かに動揺しているのが分かる。やっぱりミオさんはバグラ軍を抜けたい様だ。でもそんな事はボクが許さない。


「当たり前だよ。私はずっとここにいる」

「本当っ?!良かったぁ」


優しいな、ミオさんは。そのまま抱き着くと、ミオさんは優しく抱き留めてくれた。嘲笑にも似た笑みが零れる。

ミオさんはボクだけのものだ。タイキさんには絶対に渡さない、渡してなるものか。





------(11/08/22)------
ユウは独占欲が強いと思うんですよねーって、タイキ夢なのに全然タイキ出てませんね(・ω・`) 複雑な三人の心情を読み取って頂ければ幸いです……。




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