盛大な溜息を吐きながら、綺麗に整えられたベッドへとダイブした。それに合わせてギシリとスプリングが鳴る。
身体が重い。動く気力が湧いて来ない。その原因はバグラモンとダークナイトモンにある。アイツらは私と顔を合わせる度に過度なプレッシャーを与えてくる。
それが嫌いでなるべく合わない様に避けて来たがとうとう見付かってしまった。そして何十分もプレッシャーをかけられて来たと言う訳だ。
それを忘れさせてくれるのはタイキとの思い出だけ。……思い出なんて綺麗な言葉で言ってみるけど、本当はそんなものじゃない。ただ二言三言、言葉を交わしただけの記憶にすぎない。
「……幸せにする、かぁ」
天井を仰ぎながら、タイキに言われた言葉をポツリと呟いてみた。それがなんだか恥ずかしくて、枕に顔を埋めながら思い切りそれを抱きしめた。
その時、扉をノックする音が鼓膜を微かに揺らした。
「ッ……誰?」
「ボクだよ、ミオさん」
ベッドから飛び起きて平然を装いながら扉を開けると、私と同じジェネラルであるユウが立っていた。
「どうしたの?こんな時間に」
「あ、あの…眠れなくて……。一緒に寝てもいいですか?」
ジェネラルでも子供には変わり無いな、と頭の片隅で思いながらユウを招き入れた。
「……ミオさん」
「どうしたの?」
シャワーを浴びに行こうとした時、ベッドに座ったユウに呼び止められた。
「ミオさんはずっとここにいますよね?」
「えっ……?」
「本当はトワイライトに来て欲しいですけど……ずっとバグラ軍のジェネラルでいますよね?」
ユウは、私の想いを知っているのかもしれない。だから唐突にこんな質問を投げ掛けてきたのだろう。
私はタイキが好き。一方的な片想いでも、出来る事ならクロスハートに入ってこの想いを彼に伝えたい。でも、目の前にいるユウも大切なのは確か。私がバグラ軍を裏切れば、きっとユウは悲しむ筈だ。
選択肢は一つしかない。
「当たり前だよ。私はずっとここにいる」
「本当っ?!良かったぁ」
本当に嬉しそうな表情を浮かべながら、私に抱き着いてきた。
ユウの気持ちと私の片想いを天秤に掛けたら、一体どちらに傾くのだろうか。
------(11/08/22)------
アンケートの中に、昼ドラの欄にもチェックが入っていたので、ユウも出してみました(´ω`) ミオに抱き着いた時のユウは黒い笑みを浮かべているに違いない!(笑)