02

「君さあ、幾つチーズ買う訳?太るよ?」

「聞こえないぷーん」

「うざっ」

「すんませんね!てへぺろ!」


帰りに花村くんからジュネスのバイトのお誘いがあったのでジュネスに来た。ら、足立さんが居た!ああ、足立さんの寝癖も可愛いよ!ふわふわしてて猫っ毛で、どうしようどうしよう触りたい!!きっと枕みたいな柔らかさなんだろうな。いい匂いしそう。じっと見てたら足立さんに視線逸らされた。迷惑そうな表情すらかわいらしいと思う私はもう末期なんだろう。末期、なんて。もうとうの昔に来ていた気もするけれど、きっと気の所為に違いない。


「つかみょうじ、お前そこの担当じゃねえだろ!」

「知らないぷーん」

「足立さんコイツ適当な罪で逮捕してやって下さい」

「分かった、じゃあストーカー規制法があるからそれで」

「お願いします」

「足立さんに逮捕されるなんてもう死んでいい」

「じゃあ死ねよ」


足立さんに死ねって言われた!でもホラ、足立さんに逮捕されるって事は足立さんがいつも持ってる手錠かけられるって事でしょう、最高じゃあないですか!あ、でも前回りせちゃんのストーカー逮捕してたっけ、やっぱり止めておこう。大体花村くんもあんまりじゃないか、友人を売るなんて!それが「お前足立さんと一緒にどっか行けよ(笑)」って言う粋な計らいなら未だしも、目が本気だったもの。花村くんにそんな演技力があるとはとても思えない。これだからガッカリ王子は。


「はいはい、お仕事しますよお仕事ー」

「最初からやれよ!何で客気分だったんだよ」

「足立さんが居たからつい」

「ごめん罪擦り付けないでくれる」

「すんませんね、てへぺ」

「…じゃ、帰るね」

「いやいやいや御免なさい足立さん、いや足立さま!」

「はあ。…まあ良いけどねえ」


溜め息吐く足立さんも可愛い。…何て言うかね、私が足立さんの表情を手玉に取ってるみたいで凄く気分がいいんだよ、ねえ分かるかな。いっつもへらへらしてる足立さんのさ、本心も。子供嫌いなんでしょう、知ってるよ足立さん。私があなたの弱み握ってますなんて吃驚するだろうな。もしかしたら弱みなんて大層なものでは無いかも知れない、元エリート、現場に赴く姿は情けなくとも頭の回転は速い。普段は草臥れた倹しい様でも、抜け目は無いに違いない。でも、良いんだ。何だって、どうだって。私は純粋に足立さんと話したいだけだから。だから花村くんさっさと向こう行ってくれるかな、私は足立さんとランデbげふんげふん。


「そんなに怒らないでくださいよ」

「え、何言ってるの」

「顔に出てます。…と言う訳で家まで送って行ってください」

「えー…、仕方無いなあ。君には色々言いたい事もあるし」

「やった!有難う足立さん、ついでに結婚してください」

「じゃ、帰るね」

「待って待って御免なさい!」


まあ結局他愛の無い話しながら送って行って貰ったんだけどね。
あーあ、足立さんと仲良くなりたいな。



あなたこそキャベツばっかり
(似てる所もあるって事ですよ、要は)




気付いたら主人公が鬱陶しい上に何故か足立さんと仲悪い…何が起こった。

2011/09/22:加筆修正







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