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ああーみんな本当に可愛いなあ。可愛過ぎるなあ。さっきのミス?コンの完二もキモ可愛かったよ本当。うん。それに比べて私は…酷い!酷過ぎる!!完二の方が全然可愛いし!だから嫌だったんだよミスコンとかぁああ!!上からニットキャップ、黒のタートルネックに青のボーダーストール、更に黒白灰の広いボーダーのカーディガン。で、太もも丈の白短パンにピンクと黒のボーダーソックス、茶色の革ブーツ。…ボーダーが好きだからついついボーダーがためになっちゃって、ちょっと失敗したなあ…。はあ。 …とか言ってももう出番なんだよね。ああ、嫌だなあ。特に嫌なのは水着。って言うかこれ優勝してもしなくても正直何でも良い早くいなくなりたいうううう…。 「さあ!いつもテンションはMAX!自分らしさが大事、可愛いものが大好き!他人とは逸脱した感性を持つ、みょうじなまえちゃんの登場だー!」 おいおいおいおいおい好き勝手言うな…?!逸脱?!私がいつ逸脱した!いつだって自分らしいとは思うけども!流石に普通だとは思ってないけど、そこまでじゃないよ!なんでだよ!失礼にも程が有る解説だな…むかつく…まあいい、こんな事言っても仕方ふが無いよね。よし、行くぞ…いつもの演劇の舞台みたいにすれば良い。緊張はしない、大丈夫大丈夫、今だけ月森の存在を消せばいいんだよ私…! 「…………あ、何か言わなきゃなんですっけ」 「おおっと!いきなりボケを発したぞー!」 「えっ、え……あ、どうも。みょうじなまえです。しゅ、趣味?趣味は…昼寝とか…かな。特技?はー…あー…演技?です。言いたい事は…直斗くん可愛過ぎて悶えます。以上」 「おおっと爆弾発言だ!探偵王子にまさかのラブコール!」 わーきゃーと歓声が飛ぶ。どうして。 いや直斗くんの服装が可愛くって、もう。私が男だったら絶対彼女にするよ。絶対。だって可愛いもん。そう言えば私で最後なんだっけ、ぐるっと見回すとやっぱり足立さんが居て、口パクで…え、なに?「あ、か、い、よ?」違うな。…ううん。「か、わ、い、い…」……やっぱり影武者なんだな。だって変じゃないですかね?誰ですかあれ?あんな人を褒めるような人間では無かったよ。しかしこの格好を見られたのはかなり恥ずかしい。私服のセンス壊滅的だから嫌なんだよ本当に。花村くんは暑いのか何なのか赤いし。ちょっと隣でにやにやしてる保健委員どうにかしなさい。お願いだから。居なくなってくれ頼むから。 「…水着とか…無いわ…」 「そんな事言ってー、先輩チョー可愛い水着じゃないですか!」 「可愛いのは水着だけだよ。水着が可愛くても仕方ないんだよりせちゃん」 「いやそんな自虐的にならなくても…」 「だってこんなさぁ…水着までボーダーってどうなのかな?どう?変?」 「ううん、なまえちゃんらしいと思うよ…!」 「有難う、雪子…!大好き!…あれ、直斗くんは?」 「無理!とか言って出て行きましたよー」 「あ、じゃあ私も無理!ばいばい!」 「え、先輩!?」 だっと駆け出して、水着の上にパーカーを羽織る。因みに水着と言っても下はズボンのやつだから、大丈夫。何が大丈夫なのか知らないけど、大丈夫!うん。ちょっとー!と言うりせちゃんたちの声を背中に廊下を全力疾走して、扉を思い切り開けて、観客席に行って、それからふわふわの猫っ毛を見付けて思わず叫んだ。 「足立さんッ!」 「…ちょ、なまえちゃん?もう直ぐ時間―――」 「足立さん何しに来てんスか」 「花村くんには関係無いでしょ。…ちょっと、そっち行って良いの?」 「いえす!来て下さい!行きましょう!」 「みょうじ!?」 「愛の逃避行ですよ!」 「あッ…?!」 「あれ陽介お前知らなかったの…そうか、お前…ドンマイ」 「最悪じゃねーか…!」 「足立さん、」 ぎゅっと伸ばした掌が足立さんの掌を握って、それを引いた。いつもみたいに笑う足立さんの腕をどんどん引っ張っていく。ああ、文化祭楽しいかも!水着審査だけどね。直斗くんもどうしたんだろう。考え事をしていた私の足は気付けば体育館の外から出ていて、足立さんがにこにこと何故かにこやかな笑みを満面に浮かべて私を見ていた。 「足立さん」 「ん?」 大好きですよ! (叫んだ声は、ちゃんと心に届いてますか?) ここまでお疲れ様でした! 初の中編…中編と言いつつ結構長くなってしまって申し訳無い限りです…。 そんな中編でしたが、楽しんで頂けましたでしょうか? 始終ぐだぐだ感が否めない感じでしたが、 私としましても楽しく書けたので良かったかなーなんて思います。 思い切り自己満足ですが…(笑) ハッピーエンドにしたかったので文化祭で終了と言う形にしたいと思います。 お付き合い有難う御座いました! あ、花村くんの事はちゃんと最初から計算に入れていましたよ(笑)皆さんお気付きだったでしょうか…?!では、改めて有難う御座いました! |