「ヌエは私のものなんだけど??」
「何を言ってる。ヌエは俺のものだぞ」


そう言って睨み合うキリハくんとネネちゃん。かれこれ30分くらいずっとこんな言い合いをしている。………私を間に挟んで、だ。


「あのー…キリハくん、ネネちゃん…??そろそろ離してくれませんかね??暑いんですけど…」


流石に我慢の限界が近い私は2人の剣幕に負けぬよう勇気を出してそう言った。するとキリハくんもネネちゃんも一瞬だけキョトンとして再び睨み合いを再開する。


「ほら、ヌエが暑いって言ってるわ。さっさと離れなさいよ」
「お前がヌエの腕を放せばいいことだろう」
「い・や。何で貴方なんかにヌエを渡さなきゃいけないのかしら??ヌエは私の大切な幼なじみなのよ??だからヌエは私のもの」
「ふん。幼なじみなんて絆に頼らなきゃヌエを留める自信がないのか??俺はそんなものなくてもヌエを傍に置いておける自信があるぞ」
「いいえ、昔からある絆にどう抵抗しようと適うわけないでしょう??だから貴方は私とヌエの間に入る事など出来ないの」
「くだらな「もうっ!!2人ともいい加減にしてよーっ!!」


いつまで続くかわからないキリハくんたちの言い合いに痺れを切らした私はお腹の底から叫んだ。
突然の事にキリハくんもネネちゃんもキョトンとしている。

私は構わず続けた。


「どうして2人とも仲良く出来ないの!?私……今のキリハくんもネネちゃんもだいっきらい!!」


刹那、ガーンと言う効果音と稲妻が落ちるような音が聞こえた気がした。……言い過ぎた、かな??


「ご、ごめんなさいヌエ…」
「わ、わるかったヌエ…」


2人は同時に謝ってくれた。う、うーん……そこまでショックな表情をされると何だか罪悪感が……


「……私も言い過ぎちゃった…ごめんね、キリハくん、ネネちゃん」
「でもね、ヌエ。1つだけハッキリさせたいの…私と彼、どっちが好き??」


…………へ??


「確かにそれはハッキリさせておきたいな。ヌエ、どうなんだ」


なぜ そ う な る 。


「勿論、私よね??」
「いや、俺だよな??」
「何を言ってるの、私に決まってるわ」
「寝言は寝てから言うんだな」


………あぁ、結局振り出しに戻るのか。うー……もう!!


「私はキリハくんもネネちゃんも、大好きなんですけどー!!」


私はやけくそに叫んだ。

……でも、気持ちはホント。キリハくんもネネちゃんも……私にとっては、大切な人なんだよ??


end








夜 空 の 星 ☆の早瀬美瑠様より頂きました(´`)

本当に有難うございました!




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