「まあまあだったな」

「もう館長と外食しない………」



お昼を安く済ませようとガ○トに行こうとしていたら、館長が私の腕を引っ張って「こっちがいい」だなんて萌え死にする位可愛い行動をしたからつい館長のリクエストに応えてしまった。

行ってみればミシュランの一つ星イタリアンの店で。館長を止めようとしても勝手に入って、後戻りが出来なくなった。私なんてそんなお店は慣れてなくて緊張でガチガチだったのに、向かいの席に座る館長は悠々としていた。しかも私の財布の中身なんかお構い無しに一番高いコース料理なんか頼みやがって…畜しょ……おっと失礼。

ともかく、私は予定外の出費を喰らい大赤字。ガス○で済ませようとしていた為現金はそんなに入っておらず、結局カードで支払った。

館長はお店から出て一言目が「まあまあ」。私なんて緊張で味なんか分からなかったのに。……でもまあ、館長も今までクジラだったんだし、きっと我慢してたんだよね。



「次は寿司だな」



初めて好きなキャラに殺意が沸きました。

夜は寿司が食べたいと言い出した館長を車に乗せ、モールへと向かう。館長の舌に合わせて食べていたら私と架絃の学費は疎か、生活費も危ういだろう。

子供の様に寿司と強請ってくる館長に萌えながらも「我慢して下さい」と言い聞かせている間にモールに着いた。平日にも関わらず駐車場は混んでいて、やっとの事で車を止めることが出来た。財布とケータイだけ持ち、車を下りた。



「朝話した通り、館長は漫画のキャラなのでバレる可能性があります。その時は絶対に否定してください」

「そんな簡単にバレるわけないだろ?」



店内に入り、館長の好みのお店を探していく。並んで立って歩くと、身長差が結構ある事に驚いた。架絃程ではないが、館長も背が高い。私が低いだけかもしれないが………。



「まあ、マスクも外してるので確率は低いと思いますが………」

「あれ!有架!何してんの!?」

「有架、デート?」



聞き覚えのある声に振り向けば、そこには友達の美穂と沙羅がいた。話してる傍から大波乱の予感がする。






   
       
     
       
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