気がつくと机に伏せていた。ああ、レポート書いてたんだっけ。 昨日の夜。館長が寝た後、私は部屋に戻り大学のレポートを書いた。どうやらそのまま寝てしまった様だ。 目を擦りながら、着替え、洗面所に行き顔を洗う。歯を磨き、軽くメイクをした後、リビングに行くと、館長が既に起きていた。 「おはようございます」 「飯」 「………ハイ、」 館長の今日の第一声「飯」。でも館長が私の家に逆トリしてきたのは夢ではないようだ。 パンをトースターに入れ、焼いている間に目玉焼きと、ウインナーを焼いた。こんがり焼けたトーストと一緒にそれらを皿に乗せ、珈琲と一緒に館長に出した。 「食べないのか?」 「え、ああ。私、朝は殆ど食べないので」 「太るぞ」 「っほっといてください!」 私をいじって楽しいのか、館長はクツクツと喉で笑っている。 机の上には、既に読んだ痕跡のある新聞。館長が食べ終わるまで珈琲片手にそれを眺めていた。 広告を見ると、近所の大型リサイクルショップの広告が。なんでも出張買取サービスがあるらしく、家まで来てくれるようだ。 2階の片付けには持ってこいなので、すぐに電話をかけた。すると今日の昼頃来てくれるとの事だった。 「何してるんだ?」 「2階の客室を片付けるので、リサイクルショップに電話をしたんです」 「客室なんてあったのか」 「……まあ、一応。片付けたら、館長にはそっちに移ってもらいますから」 館長は「ふーん」と、あまり興味が無い素振りを見せた。そのままソファーに座り、スッ○リを観始めた。私が皿とマグカップを洗っていると、無言だった館長が口を開いた。 「有架」 「どうしました?」 「これ、なんだ?」 館長の指す先には最新ゲーム機器の数々。別名架絃のコレクションである。 「ゲーム機ですよ。何かやります?」 「やる」 そういえば館長はお坊ちゃまだっけ。そりゃあゲームなんてした事ないよね。 手をタオルできちんと拭いてから、ゲーム機を触る。前に濡れた手で触ったら本気でキレたもんな……架絃。 「じゃあ桃○でもします?」 「○鉄?」 「所謂ボードゲームですよ」 館長に説明書を読んでもらっている間に、ゲーム機をテレビに繋ぐ。架絃の見てたら覚えたんだよね。 「館長には絶対負けませんから」 「寝言は寝てから言え」 「絶対勝ちます!」 「負けたら奴隷な」 「いいですよ!もし私が勝ったら館長にも家の仕事してもらいますから!」 自分の発言を後悔するのにそう時間はかからなかった。 |