泣く泣く頼んだ特上寿司は美味しかった。

館長は寿司を食べて満足したのか、ソファに座って経済番組を観ている。



「館長、少し早いですけどお風呂入っちゃって下さい」

「風呂場は?」

「廊下の突き当たりを左に行った所にあります」



大人しくリビングを出て行った館長。それにしてもどの部屋に館長を寝かせるかが問題だ。架絃と両親の部屋は勿論論外。私の部屋には私が寝るわけで。

2階の来客用部屋に行き、覗いてみるが、完全に物置状態。通販好きの母さんが買った物ばかりだ。テレビやマッサージ機、訳の分からない置物まで存在する。しかも箱から出していない新品が殆どだ。明日リサイクルショップに持っていこうかな。

館長にはとりあえず和室で寝てもらい、明日2階を片付ける。という結論を出し、20分以上かけて2階から引っ張り出してきた布団を和室に敷いた。

そういえば、館長にタオルの置き場所を言うのを忘れてた。バスタオルは分かる場所に置いてたけど、タオルは棚の中だ。

まだ入っているだろうと思い、脱衣所の戸を開けた。



「館ちょっ…………!!?」



目の前には上半身裸の館長。顔が熱くなるのが分かる。館長は「なんだ」と、平然としているが私はそうではない。



「し、失礼しました!」

「?」



急いで廊下に出て、戸を閉める。「やっぱり館長は細かった」とか、「でもその割には筋肉質」とか「腰細すぎ!」等、まるで変態の様な感想ばかりが脳裏を駆け巡る。

その場で疼くまっていると、背後の戸が開き、その音に心臓が高鳴った。恐る恐る振り返る。



「か、館長………」

「俺に用か?」

「あ、あの…タオル……」

「ああ、どこだ?」

「棚の…1番上のカゴに……」



上着を着た館長はタオルを取り、髪を拭きながら、リビングへと戻って行った。え、私完全無視?









      


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