今日は大切なあの人の誕生日。一番最初におめでとうが言いたくて、頑張って早起きした。

あの人はまだ来ていないらしく、学園長室の扉に寄り掛かって待つ事にした。それまで何回も手鏡で髪型をチェックして、何と言ってプレゼントを渡すか考える。



「イオンさん?」

「バロンさん…っ!」



遅刻常習犯の私がこんな朝早く、しかも学園長室の前にいることに驚いている様に見える。



「あ、あの……お誕生日おめでとうございますっ!」

「ああ…今日は私の誕生日でしたね」

「それからこれ、プレゼントです。喜んでもらえたら良いんですけど……」



恐る恐る用意していたプレゼントを差し出す。この前の休みに悩みに悩んだ末に選んだプレゼント。本人を前にして、考えていた言葉は全部何処かへ行ってしまった。



「まさかこの歳になってプレゼントを貰えるとは思っていませんでしたよ。わざわざ有難うございます」



学園長はそう言いながら微笑んで、私の頭を優しく撫でてくれた。それが凄く嬉しくて、口角が緩みっぱなしだ。



「まだ時間がありますから、中でお茶でもどうですか?」

「はいっ!」



余り二人だけの時間が無いから、この朝の一時を二人で過ごせる事が嬉しくてしょうがない。



「バロンさん、大好きですっ」

「私もですよ」



そう言って今度はおでこにキスしてくれた。いつまで経っても子供扱いだけど、幸せだからそれでも良い気がしてきた。     






ぬくもりで窒息しそう
Title:postman
    






------(11/12/20)------
隠れて付き合ってる、みたいな。でもこれじゃあ学園長がロリコ……ゲフンゲフン←



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