今日、乙女の淡い恋が終わりを告げた。 髪は長い子が好きだって聞いたから柄にもなく伸ばしたし、好みじゃないけど彼の好きなバンドも好きになろうとした。 彼好みの子になって意を決して告白してみたら、「確かに君の事は好きだけど…称号持ちはちょっと……」だなんて。 「…ったく、何が称号持ちは嫌よ!」 「大荒れだな、イオン」 「あの男に見る目がなかっただけだよっ!」 「ん…ありがと、キューちゃん」 「キュービック!」 昼休み、天才テラスで皆が私を慰めてくれる。まあこんなに愚痴っていたらそうせざるを得ないだろうし、皆には迷惑かけちゃったな……。 「でもアナが思うに、これで良かったと思うなー」 「これで良かった……?」 「うんっ、だってギャ……!」 「アナ駄目!」 何かを言い掛けたアナの口を焦ったようにノノハが塞いだ。何が良かったのか気になるけど、ノノハが止める位なんだからきっと私には聞かせたくないのだろう。 「イオン」 「ん?……ああ、ギャモン。フラれた私を笑いに来た?」 珍しく最後に来たギャモン。私が告白する直前まで一人反対してたし、案の定フラれた私を笑いに来たんだろうな。 「べ、別に笑ったりしねぇよ」 「え?」 ギャモンは何故か外方向いてそう言った。笑いに来たんじゃないなら慰めに?……んな訳ないか。 「その…なんだ……残念、だったな」 「まあ…うん……、」 気味が悪い程歯切れが悪いし、目を合わせようともしない。いつものギャモンなら私を小馬鹿にするだろうに、今日に限って口数が少ない。 「……ほらよ、」 「?…なにこの紙」 目の前に突き出された二つ折りのメモ用紙。恐る恐るそれを受け取ると、ギャモンは足早に階段を下りて行った。 「……変なの、」 メモ用紙にはパズルが書いてあるだけ。こんな状況でパズルなん…て……っ?! パズルの答えが理解出来ずに思い切り立ち上がった。椅子が音を立てて後ろに倒れたけどそんなの気にしていられない。 すぐにギャモンを追い掛けると、思っていたより早く追い付けた。燃えるような赤髪だから凄く目立っている。でもギャモンの髪と同じ位私の顔も赤いと思う。 「ぎゃ、ギャモン!」 呼び止めたら大人しく振り向いてくれた。ギャモンの顔も赤いような気がするけど、まずは答えの「I love you」の意味から問い質さなきゃ……! eight letters, three words, one meaning(文字が8つ、単語が3つ、伝えたい気持ちは1つ I love you) Title:postman ------(11/12/20)------ オチ?そんなものはありませ(殴) この後は皆様のご想像にお任せします(^ω^)← |