「ヒナタちゃん!」
「え、え?!なになに、シスイちゃん!」
「今度うちにもおいで!イッシュ地方からだったらちょっと遠いかもしれないけど、歓迎するから」



その言葉に、ヒナタは目を見開くと花が咲くように笑って大きく頷いた。



「うん!ぜひ!」
「ふふ、待っているわね。…あら?」



するとヒナタの手が透けていることに気づくシスイ。
あ。とヒナタも困ったように笑う。



「タイムリミットね。誰がやったのかわからないけれど、この出会いに感謝するわ」
「うん、そうだね。シスイちゃん達と遊べて楽しかった!」
「ええ、私も。また、どこかで」



徐々に光りだすヒナタの身体。
同様の光が二つ、背後で見えた。



「雷士、また遊ぼうね」
『うん、同じ電気タイプ同士なんか気が合うし、遊んであげてもいいよ』
「蒼刃も元気でな、今度ミナモシティを案内するよ」
「ああ、頼む。それまでにまたヒナタ様の話を用意しておく」



いや、それは。と苦笑する獅闇だったが、ひゅんと消えた光に少し寂しさがあったのは気のせいではないだろう。



「また、遊べるわよ雷」
「…うん」


雷をゆっくりと撫でて、獅闇に視線を向ける。
がしがしと頭を掻いている彼だったがどことなく寂しそうだった。



「獅闇」
「んあ?」
「帰ろっか」



そう言って、シスイは彼の手を握った。
どうやらボールに戻す気はさらさらないらしい。

困った主だと眉を下げつつ、今日だけでもシスイを独り占めできるのだと考えたら何故だか遠足も悪くないと思えた。
僕もー!とシスイの反対側の手を握った雷にもシスイは笑いかけながら、彼女達はカイナシティを後にした。









珀の今までにないくらい恐ろしい説教が待っているとも知らないで。








<終>

→あとがき





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