『はじめての料理』という見出し
書斎は俺にとって今まで学べなかった知識を吸収できる最適な場所。
今日も今日とて、ここに籠もって読書をする。
まるで貪欲な子どものように、あれもこれもと学びたいものが増えていくことが何より嬉しい。
そしてそれを理解できることが嬉しかった。
この書斎にはたくさんの本が並んでいて、ほとんどが珀の私物だというから驚きだ。
それでも家族なら誰だってこの本たちを読んでいいというのだから、珀の優しさには感服である。
そんな中。
ふと、手に取った本の隣に見慣れない雑誌のようなものが立てかかっていた。
俺は首を傾げながら、それをそっと本棚から抜き取った。
「りょう、り…?」
俺はそれを小脇に抱え、書斎を後にした。
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