一方。




「あっははは!なにそれ!珍しいね、2人がそんな言い合いするなんて」
「少し見てみたい気もしたな」


私は2人を公園に連れて行き、先ほどの話をした。
すると奏は大口を開けて笑い、涙を拭った。
牙も珍しく小さく笑い、少し楽しそうだ。


しかし、私はどうしてあの2人がいきなり言い合いをしだしたのか最後まで分からずじまいで。



「でもどうして…」



その呟きに奏はまた声を出して笑った。
そして、私の頭をぽんと撫でた。



「それは、2人ともすっごくシスイが大好きってことだよ」
「無論、俺達もだがな」
「えー!牙、それ俺が言うセリフ!」



ぽかぽかと牙を叩く奏のお腹にパンチを繰り出している牙を見ながら、奏の先ほどの答えを頭で繰り返した。



“大好きってことだよ”





そんな言い合いをしなくても、正直に気持ちを話してくれればいいのに。



私はそんなことを考えながら、未だにじゃれあっている奏と牙を微笑ましげに見守るのだった。












<終>
→あとがき





prevnext
back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -