「そっか。じゃあその時に知り合ったんだね。獅闇も」
「うん!雷士もあの時と変わらなくて、なんか安心したー!」
『そんなちょっとの間に僕が豹変してたらそれはそれでちょっと怖いよね』


あはは!確かにー!


雷は笑いながら、チーズケーキの最後の一口を口に運んだ。
雷士も器用にフォークを使いながら、もぐもぐとケーキを咀嚼している。


雷や雷士から彼らが知り合った経緯を聞きながら、お茶会は楽しく進んでいた。
疾風もすっかり打ち解け、2人の話の輪に入って楽しそうにしている。


まるで保護者のような気分でそれを眺めている奏はふと視線の合った疾風ににこりと微笑みかけた。
疾風はそれに少し目を見開き、ぱっと逸らす。
なんだか、少し、恥ずかしい。

それを気にする風もなく、奏は口を開いた。



「疾風は、同じフライゴンだね」
「!?そ、奏さんもそうなんですか?!」
「うん。フライゴン同士仲良くしようね」




同族特有の雰囲気みたいなものが彼を確信へと導いた。
出会ったときからなんとなくわかって、余計放っておけなかったという。

奏のその言葉に疾風は嬉しそうに笑いながら「はい!」と元気よく返事をした。
その応えに満足そうにしていると、リビングの電話が鳴り響いた。



「ちょっと待っててね」



奏は立ち上がり、電話に出る。



「はい、もしもし?……え?」








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