甘美なるお茶会
黄色い小さな体躯が力尽きたようにその場に倒れた。
『おなか、すいた……』
腹の虫は鳴き止まず。
もう動ける気力すらない。
そうだ、もういっそのことここに寝そべってしまおう。
余計な体力を使うと、それこそ余計に腹が空くし、なによりもう動けない。
それにここがどこだかわからない以上、下手に動くのも良い考えではないだろう。
ぐうとまた一つ、腹が鳴る。
特徴的なジグザグの尻尾と黒い模様が入った耳が同時にだらんと垂れ下がり、彼はゆっくりと目を伏せた。
誰か、助けてくれるかもしれないと願いながら。
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