私の腕の中で眠るこの方はどうしてこんなにお可愛らしいのか。
いくつになっても彼女を愛している気持ちに偽りはない。
家に帰ってきて早々、シスイ様はソファで寝てしまわれた。
普通であれば起こすところだが、この時はどうしてだか気が引けた。
だから、私はそっとシスイ様の隣に腰を下ろし、その華奢な腰に腕を回した。
抱き寄せれば、彼女の身体は傾き、自分に寄りかかる形になる。
この態勢だけでもどれだけ幸せか。
腰に回した手で静かにその綺麗な髪を撫で、頬に指を滑らす。
そうすれば、シスイ様は擽ったそうに身を捩る。
嗚呼。
本当に。
「堪らなく、可愛いお方だ」
旋毛にキスを落とす。
それだけで、さっきまでのドロドロとした気持ちがすっとなくなるようだった。
竜胆の腕にしがみついた彼女を見ただけで、竜胆に殺意が芽生えた。
そう。
シスイ様は。
「私達…いや、私にだけ依存してくださると、嬉しいのですがね」
この呟きも当然届くことはなく、腕の中の愛しい我が主はすやすやと寝息を立てている。
その寝息を聞きながら、私はゆっくりとシスイ様の頭を撫で続けるのだった。
さあ。
あと少ししたら起こそう。
シスイ様にプレゼントがあると言えば、どんな顔をしてくださるのか。
それが楽しみで仕方ないのだ。
(終)
やきもちシリーズ。
今回は主人公ちゃんもやきもち、珀もめっちゃくちゃやきもち。
時々こんなヤンデレっぽくなるんですよ、うちの子達。
そんな頻繁じゃないですよ!笑
というか、竜胆が物凄い空気…笑
prev*next
back