晴れてやがる。

そう呟いて、俺はセンターのフィールドのベンチに座って天を仰いだ。


何やってんだろ俺。

外に出てきて、少しイライラが落ち着いた。
ので、少し考え直してみる。

そもそもの原因はあの手紙だ。
見せなかったシスイも悪……くない。
シスイは悪くない!!断じて!!



「はぁぁ〜…」


ため息吐くと幸せ逃げるよ。


って前に雷に言われたのを思い出した。
やば。
朝の幸せな気持ちが今、逃げていった気がする。



「やっちまった……っ?!」



すると。
頬に冷たい感触。

バッと顔を上げてみると、目の前にシスイが缶を持って立っていた。



「はい、サイコソーダ」



ニコッと笑う彼女の顔が今日も眩しい。
…じゃなくて!!



「何で、ここに…」
「奏、イライラしてたみたいだから。心配になって」



隣座るね。

俺の手にサイコソーダの缶を握らせてから、シスイは隣に座った。

プシュッと缶を開ける音が聞こえてきた。



「え、シスイ。サイコソーダ飲めたの?」
「あら、失礼ね。炭酸は好きよ?」



こくっと一口飲むと、また笑う。
本当にシスイはよく微笑む女性で、綺麗だ。



「奏」
「…ん?」
「何をイライラしてたの?」



こういう時だけシスイは直球だ。
俺は言うか否か迷った。

でも言わなかったとして、俺がこの先イライラを解消できるか。

答えはNOだ。
ずっとイライラしたまんまで、もしかしたらシスイに当たってしまうかもしれない。
それだけは避けたい。絶対。

珀が…怖いし。







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