イライラ






「…フフッ」


凄く楽しそうに笑って手紙を読むシスイ。
その手紙を送ってきた相手にちょっと嫉妬した。



* * *




朝起きてリビングに行くと、もうシスイが起きていていつものように“おはよう”と挨拶する。

するとシスイはニコッと笑って、“おはよう奏”と返してくれる。
それがどうしようもなく幸せに感じた。



「ああ、おはようございます奏」


珀が玄関に通じるドアからリビングに戻ってきた。
その手には新聞と…手紙?


「おはよう、珀。それ、手紙?」
「ええ、シスイ様宛です」
「私?」


珀は食卓の上に新聞を置くと、手紙をシスイに渡した。
誰からだろう…


「シスイ、誰から?」


俺が後ろから手紙を覗き込もうとすると、パッと隠されてしまう。



「なーいしょ。ほら、奏。雷と獅闇、起こしてきて」



そう微笑まれちゃ、何も言えない。
俺は腑に落ちないまま、階段を上がり二階へと向かった。









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