「シスイ」
「なに?」
「キス、してもいいですか」



上目で彼女を見てみると、それは驚いた顔をしていて。
予想通りの顔に思わず笑ってしまった。
とても、可愛い。



「…はっ?」
「あははは!冗談ですよ、そんなことしたら珀に殺されます」



俺はすっと頭を上げると、持っていた髪ゴムで手早く髪を結った。
途端に視界が開けて、シスイの顔がよく見える。
未だに放心状態の彼女は顔が真っ赤だ。



「シスイ?シスイー?」



目の前で手を振って、顔を覗き込む。
どうやらそれで我に返ったらしい、シスイは“な、なに!?”と慌てていた。

その様子が面白くて、そしてあまりにも可愛くて。
俺はクスリと笑うと、彼女の前髪を上げた。



「海輝?」
「今日はここで、我慢します」



額にリップ音。
これはわざとだ。

そして、俺は冷めた紅茶を一気に飲み干し、立ち上がる。
今日は部屋の片付けもしなければ。



「か、海輝!!」
「可愛いですよ、シスイ」




またリンゴのように真っ赤になったシスイにウインクを送りながら、俺はリビングを出た。



ああ。
今日はとてもいい日になりそうだ。






(終)



いつもより大胆な海輝さんでした。


勿論上半身裸の彼の腹筋は程よく割れてます。
上腕二頭筋も程よいです。
細マッチョです。笑





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