「さて、そろそろお開きにしますか」
「そうね、獅闇もいいでしょ・・って・・獅闇?」



シスイが獅闇を見ると、仄かに頬を赤に染める彼の姿。
もしかして。



「し、獅闇、酔ったの?」
「…別に」



小さく漏らす声もいつもより甘い。

シスイは珀と顔を見合わせてどうしようかと考えた。
だが、珀には嫌な予感がしてならなかった。


すると急に獅闇はシスイに抱きついた。
あのいつもクールな獅闇が。


いきなりのことに戸惑うシスイ。



「シスイ…」



彼の声が響いて、息もふっと首元を掠めた。
シスイはたじろいだ。



「ちょ、獅闇?もう寝よう?」



珀の形のいい眉がピクリと動いた。
しかしシスイはそれに気付かない。



「いや・・だ」



首元に擦り寄る獅闇。
そして極めつけは。



「シスイ…いい匂いがする…」



獅闇はそのまま彼女の耳たぶをそっと噛む。
大袈裟なほどにシスイの肩が揺れた。



耳元での彼の声はもはや凶器。
シスイは全身に電気が走るようなそんな感覚に陥った。
背筋がゾワゾワする。



「獅闇」



その声は一際低く。
珀はすっと立ち上がると獅闇の腕を掴んだ。



「んだよ・・珀」
「獅闇、いたずらが過ぎますよ。早く部屋に戻ってください」
「ったく…はいはい」


あーおっかねー。


獅闇はそう言い、立ち上がり歩き出す。
だが、途中“あ”と何かを思い出したように立ち止まり、珀に視線だけ向けた。



「珀、お前だけ独り占めできると思うなよ?」



んじゃーおやすみ。



獅闇はニヤリと笑い、手を振ってリビングを出て行った。


それを聞いた珀はシスイに気付かれないように舌打ちすると、彼女にも部屋に戻るよう促した。







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