「そこの夜更かしお二人さん?何を飲んでいるの?特に獅闇」



鈴を転がしたような綺麗な声。
腕を組んで、ドアに寄りかかっていたシスイ。
その顔はどことなく楽しそうで、怒ってはいないようだ。


「…シスイ様…」
「珀はいいけれど、獅闇?未成年は駄目よ」
「珀と同じ事言うのな」


平気平気。

そう言う獅闇の言葉に、シスイは納得はいってなかったものの獅闇の隣に座った。




「シスイ様、お休みになられたのでは?」
「妙に目が冴えてしまってね。そしたら下から話し声が聞こえたから」



珍しい組み合わせでビックリしちゃった。


シスイはそう言って笑った。
それに二人もふっと笑い、チューハイを一口飲んだ。



「あー…うめー…」
「随分オヤジ臭いわね獅闇」



ぐっとアルコールを煽って、ふんぞり返る獅闇にシスイと珀は苦笑した。



「本当ですよ、まだ若いのに」
「そういう珀だって、まだ若いだろうが」



また3人の笑い声が響いた。
外も中も暗いのに、ここだけ凄く明るいような気がした。


すると珀は何かを思いついて立ち上がり、キッチンに入っていった。
そして冷蔵庫を開け、何かを持って戻ってくる。



「あら、これ雷の…」



生クリームとカスタードが乗ったクラッカー。
酢の物と甘いものが好きな雷は珀の作るデザートも好きで、特にこのクラッカーに色々な物を乗せたものが好きなのである。


今日はシンプルに生クリームとカスタード。



「今日のおやつにと作っておいたのですが、雷が海輝と出かけてしまったので結局残ってしまったんです。甘いもので申し訳ないのですが、よろしければ」



ニコリと笑って、珀はそれを勧めた。
獅闇はそれを一つ取ってパクッと食べる。



「美味い」
「うん、美味しい」
「よかったです」



そうして3人で他愛もない話をしていると時間が過ぎるのも早くて。
気付けばもう2時を回っていた。







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