「どうしよう!海輝!シスイ元気ないよー!」
そうなのです。
我らが主であるシスイ様が朝からお元気がないのです。
私が先程から話しかけても上の空。
曖昧な返事しか致しません。
「雷、落ち着きなさい。きっとシスイに何かあったのでしょう」
「うー…僕泣きそう…」
「すぐに泣くんじゃありません雷。さ、珀に頼まれた買い物に行ってきましょう。奏も牙も今日は遠出していていないですから」
海輝は雷の背を押して家を出て行きました。
さっきから雷もあのような調子で。
海輝が何度も宥めている姿を目撃します。
さて。
本当に困りましたね。
「シスイ様」
「……」
とうとう返事もして下さらなくなりました。
どうしたと言うのでしょう。
失礼ながら、私はシスイ様の顔を覗き込みました。
赤い・・・
!?
「シスイ様!失礼致します!!」
私はシスイ様の額に手を当てました。
熱い。
「風邪…でしょうか」
「うーん・・・ハクー・・・」
「申し訳御座いません、シスイ様」
私は“失礼いたします”とシスイ様を抱き上げ、すぐにお部屋に連れて行きました。
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