弱いとは言わせない。



それはまだシスイがリーグで働いていた時のお話。



「何だってすぐ街を停電にさせるかな・・あの人は」
『でもでもあそこのレントラー、すっごくいい奴なんだよ!!』
「雷、ポケモンはいい子でもトレーナーに問題ありなのよ」
『うーん……デンジさん、僕のことすごい可愛がってくれるのになあ』



そんな雷の言葉にシスイは頷く。
確かに彼は一見クールに見えて、熱いところはあるし、何よりポケモンを可愛がっている。


ふっと息を吐いて、シスイは報告をするために本部へ入っていく。
勿論、珀を出すことを忘れないで。


『シスイ様、お疲れのようですが』
「大丈夫よ」
『そうですか・・』


と、珀と他愛もない会話をしながら報告に向かうのだった。


* * *



報告も無事済ませ、自宅に戻ろうと奏を出したときのことだった。



「シスイ!」



後ろから聞き慣れた声。
デボンコーポレーションの御曹司、ツワブキダイゴだ。
メタグロスを従え、こちらにやって来た。



「あら、ダイゴ」
「報告、終わったの?」
「ええ、あっちのリーグにもこっちのリーグにも」
「お疲れ様」



ダイゴはいつも労いの意味で何故かシスイにキャンディをくれる。
そして今日も変わりなく。
シスイの右手にイチゴのキャンディを握らせた。



「ありがとう」
「どう致しまして。ねぇ、シスイ」
「うん?」



これから僕とバトルしない?


ダイゴは前触れもなくそう言ってきた。






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