「ただいまー!!」
「ただいま」


それからシスイと雷は帰宅して、リビングに入る。
荷物をテーブルの上に置き、シスイはソファに身を埋めた。


「!おかえりなさいませ、シスイ様。雷も。申し訳御座いません・・私が行けずに・・」
「ただいま、珀。いいのよ、楽しかったから」
「楽しかったよ!珀!」



珀はすぐさまその荷物の片付けを始めた。
その行動の速さに驚きながらも、シスイは珀に笑顔を向けた。

荷物を片付けながら、珀はいつもの笑みを彼女に向けて聞いた。



「シスイ様、道中変わりなかったですか?」



その言葉にシスイは先程のことを思い出した。
ナンパに遭い、そしていつもとはまったく様子の違う雷に守ってもらったこと。
何だか雷のようで雷じゃない彼の様子に少しだけ寂しさを感じていたのは気のせいではないだろう。

そんなことを考えながら、シスイは珀に何ともなかったよと微笑んだ。




「シスイ様」
「うん?」


珀はシスイに近寄り、顔を近づけた。



「は、珀?どうしたの?」



赤い双眸が光った気がした。
こういう瞳をするときは何かを察した時だと、シスイはわかっていた。

まずい、バレる。
そう思って口を開こうと思ったが時すでに遅し。



「さあシスイ様、この珀に全てを包み隠さずお話しくださいませ」



珀は顔を離さないまま、シスイの頬に手を滑らせた。
細く長い指が滑り、彼の前髪をも頬を掠めた。



敵わないなあ。


とシスイは呟き、苦虫を噛み潰したような顔をした。
そして先程あった出来事を事細かに話す羽目になってしまった。









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「見えない臓器の名前は」
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