街を守る者達



「やっぱブルーベリーの方がおいしいよ奏!」
「どれどれ?んー・・ああ確かに。でもイチゴも好きだよ俺」
「そうだね、僕も好き」



主に腸の動きをよくしてくれるヨーグルト。
それをドリンクタイプにした“のむヨーグルト”は、手軽に摂取できて便利だ。


それを毎日飲んでいる雷は奏にも一つ分けてあげていた。


冷蔵庫にいつも完備されているそれ。
主にブルーベリー味とイチゴ味。
毎日飲む雷の為に珀がいつも数本買い溜めしておいてくれているのだ。



そして奏も雷がくれるのをいいことに最近は飲むようにしているらしく。
お互いの飲みあいっこはもう慣れた光景。




「最近、白桃も出たんだよ、知ってた?」
「はく、とう?」
「桃だよ桃。今度珀に頼んで買ってきてもらおっか」
「うん!!桃かぁ・・おいしそうだね!」




お互いストローを咥え、ちゅーちゅーと飲んでいる。




さて。
只今リビングにはシスイを除く全員が揃っていた。


キッチンで昼食の準備をする珀と海輝。
ソファで珍しく惰眠を貪る牙。
最近ハマっているクロスワードパズルを一生懸命解く獅闇。
そしてのむヨーグルトに夢中の雷と、同じものを飲みながら何とはなしにチラシを見る奏。




「珀、うどん茹で上がりましたよ」
「ありがとうございます海輝。では器を出していただけますか?」
「わかりました」



主に食事担当の二人。
最近はお互いにレシピを教え合ったりしていて、
さながら主婦仲間のようだ。



そしてこの家の主。
シスイはというと・・
雷達のバトルから数日、また部屋に篭りっきりで、朝昼晩の食事以外、ずっと出てこない日もあった。



タマゴの研究。
あの反応以来、何かまだわかることはないかと無我夢中で研究に没頭している。
少しでも多い情報を得、それをウツギ博士に報告すれば彼も少しは楽だろう。
その思い一心で資料と睨めっこしていた。




「・・・・なるほど・・」




そんなシスイの呟きが静かな部屋に木霊した。



“・・・いよ・・・”


「!!」


また脳内に響く微かな声。
シスイはバッと隣においてあるタマゴを見た。
また声が聞こえる。



“早く・・・・でた・・・い・・・”



「・・・頑張れ・・・」



シスイはそう呟き、また資料に目を通した。






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