「・・・よかろう」

やがて、口を開いたのはスイクン。
彼はタマゴをその長い指で指差す。



「ならば、真の気持ちを以てそれに関わればよいのだろう?」


その言葉にシスイはゆっくりと頷いた。



「・・・ありがとうございます」
「フン。ここの一家は伝説に怖気づかない奴らばっかだな。
そこのピンクも白いのもソファで呑気に寝てやがる黒いのも。
そして・・そのドアの後ろで聞き耳立ててる奴らも。」


エンテイは玄関へ続くドアを指差す。
するとドアから奏と牙が入ってきた。



「空気を読んでるって言って欲しいなエンテイさん?」
「ハッ。単なる盗み聞きだろ」
「まあ言っちゃえばそうか。」



奏はおどけたように言ってみせるが、その顔に恐怖は全くなかった。
それは牙も同じなようで。



「チッ・・めんどくせー奴らだな・・」



エンテイは眉根を寄せて舌打ちをした。
そのやり取りを見ていたシスイはふっと息を吐いて、また3人に視線を戻す。




「ウツギ博士には何度かお会いしたことがあるから連絡先も知ってる。
だけど、あの偉大な博士に頼むことは眼中になかった。
ありがとう3人とも」


ふっとシスイが微笑めば、彼らの顔もほんのりと赤くなるわけで。
その場にいた全員がああ・・と頭を抱えた。


「わ、我等はそろそろ行く・・・い、行くぞ!!ライコウ、エンテイ!」
「わ、わかっている。エンテイ!ボサッとしてないで早く立て!」
「な、何で俺だけ・・ったく・・何なんだよ・・」


と彼等は瞬く間に原型に戻り、窓から風のように去っていった。






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