心を閉ざしポケモン。
博士に連れられて、また研究所に舞い戻ってきた。
中からはああでもないこうでもないとネンリたちの口論が聞こえてくる。
「ネンリ、チトセ。仲良くね」
「「!博士!!」」
二人はばっと顔を上げると、博士に駆け寄る。
「もしかして獅闇くんが察知した悲鳴って・・」
「博士だったんですか?」
二人は呆れたような顔を見せた。
それに博士もシスイ達も苦笑する。
「博士!!シスイさんをお待たせした挙句、襲われて助けてもらうなんて何事ですか!!!いい加減にしないと僕のサイコカッター食らわせますよ!」
とチトセがすごい剣幕で言うものだから、博士もまた苦笑いした。
シスイはボールホルダーを外し、テーブルに置く。
「!・・皆置いていくのか?」
獅闇が心配そうにシスイに聞いた。
だが、ボールの中の人達はそれがわかっているかのように大人しかった。
「こういう時はね、彼らは置いていくって決めているの。私と目の前の子の問題だからね」
だから獅闇もここで待っていてね。
と言うとシスイは博士の後についていった。
「シスイちゃん。この中に例のルクシオがいるけど・・くれぐれも怪我しないように」
「ええ。わかりました。では・・」
とシスイは静かに部屋に入っていった。
* * *
博士がもといた場所に戻ると、ネンリとチトセが心配そうな顔をしていた。
「何て顔をしているんだい、二人とも」
「・・いくらシスイさんでもあの子は荷が・・」
ネンリが言い出す前に博士は手で彼を制した。
奥のソファでは獅闇がその長い足を組んで座って彼らのやりとりに耳を傾けていた。
「シスイちゃんは綺麗な子だよ。そして強い」
「彼女は大丈夫だ。今までも幾度となく心を閉ざしたポケモンを助けてきたのだから」
博士はそれだけ言うと、自分のデスクに戻って作業を再開した。
それを緑の双子は複雑そうな顔で見つめていた。
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