次の日。
リビングは朝食のいい香りが漂い、シスイの家は清々しい朝を迎えていた。



「青炎は昨日オムライスを覚えたんだよ」



なー?と奏は青炎に視線をやった。
その言葉に青炎は一つ頷き、シスイを見た。




「俺、おむらいす大好きになった」




海輝の作るやつ、おいしい


と笑って言う。
その様子にシスイも微笑んで、「よかったね」と声を掛けた。



すると雷が立ち上がって、高らかに宣言する。



「よーっし、これから青炎にいろんなこと教えようね!」



ね!みんな!と雷は一人ひとりに視線を向けて、胸を張った。
にこやかに頷く一同。
獅闇はソファから立ち上がると、青炎の肩にぽんと手を置く。



「獅闇?」
「いいか、雷の教え方はなかなかに下手だから、わからなかったら奏以外の誰かに聞けよ」



にやりと笑う獅闇。
その言葉に聞き捨てならないと奏と雷は反論した。



「ちょっと!獅闇、それどういうこと!」
「僕、下手じゃないもん!」
「どうもこうも、奏は余計なこと教えるだろうが」


雷もまだまだだなー。


獅闇は鼻で笑うと、トイレと言ってリビングを出て行ってしまった。
その後ろ姿に叫ぶ二人。



「獅闇のばーーーーか!!」
「獅闇のあほーー!!」



後でどうなっても知らないと牙は肩を竦め、シスイ達は苦笑した。
その光景に青炎はぽかんと呆けていたが、やがて大声で笑い出した。
それに皆つられ、辺りには笑い声が響く。




シスイは隣で笑っている青炎をそっと見た。
幸せそうな顔。


こんな時をいつまでも守っていきたい。
大事な家族を守りたい。





新たな決意を胸に、シスイは未だに笑っている家族たちを見て、窓の外を眺める。


そこには雲一つない空が広がっていた。





「さーて。珀、奏、牙、海輝、雷、獅闇、青炎!」



一人ひとりの名前を呼ぶ。
その声に、顔を上げる皆。

シスイは微笑んで。




「出かけるよ!」





その言葉に彼らは大きく頷いたのだった。




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